【Not Joke】
□Evil Tower
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見上げた先には巨大なビルが聳えている。
軽く50階はあるだろう。
この中を捜すとなると、なかなか苦心しそうだ。
常ならば…。
「それじゃあ、坊やは計画通りそこの裏ゲートから行ってくれ。
地図は…」
「もう覚えたよ」
建物の構造は、事前にトリッシュに教えられている。
騎士団時代の経験もあってか、それを覚えるのには然程難儀しなかった。
「それより、あんたの方こそ大丈夫か?
敵のボスを叩くんだろ?」
ネロに課せられたのは、地獄門召喚のための装置を破壊すること。
対し、ダンテは、主犯を叩きに別の道から進行することになっていた。
皮肉っぽく言ってやると、ダンテは笑って返す。
「心配ご無用。年季が違うんでね。
坊やこそ、万が一のことになったら無茶はするなよ」
やはり負けないくらいの皮肉を言ってから、トリッシュを呼びつける。
ネロが何か言い返す前に、それから、と付け足した。
「もし、それ以外のわけの分かんないものを見つけても無視しろ。
目的の場所に装置が見つからなかったら、プランBに変更だ。いいな」
意味深な内容に返す言葉を迷っていたら、ダンテはadios!kid!とか言って、トリッシュを引き連れ行ってしまった。
「…分かったよ、オッサン」
毒づくように、すでにいなくなってしまった相手に呟いてから、先にある関係者専用の扉へ足を向けた。