◎long
□you & me
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「要領良いのもあるけど根が真面目なんだよね。バレーもそんな上手くなかったのにさ、陰で相当練習して、副キャプにまでなっちゃうし。」
「え?副キャプテンなんですか?」
「知らないの?ななし言わなかった?」
「全然。」
「まじ?(笑)副キャプテンだよ。キャプテンのみやとは親友でさ、良いコンビなんだよ。」
「確かに仲良さそうでした。」
「ただあの2人が衝突すると本当大変だけどね。仲良いから遠慮も全然ないの。」
「負けず嫌い同士そうですもんね。」
「異常だよ(笑)でもなんだかんだしっかりみや支えてる。」
「なんか意外です。」
「多分これから、もっと意外なこといっぱい出てくると思うよ(笑)」
「もっと知りたいな…。」
「え?」
「あ、いや、何でもないんです…。」
自分でも何でそんなことを思ったのか分からない。でも、ななし先輩のいろんな顔を見たいと思った。
「梨沙子はさ、何で今日ななしと一緒に屋上にいたの?」
「あ…、あの…。」
「あ、ごめん。言いたくなかったら大丈夫だよ?」
「ううん、大丈夫。助けてくれたんです。同じクラスの子とトラブっちゃって…。」
「そっか。」
「前にも声かけてくれたことあったけど、今日はいきなり手引っ張って屋上に連れて行ってくれて…。」
「ははは。なーんかななしらしいね?」
「なんか分かんないんですけど、安心して泣いちゃったんですけど、ななし先輩、何も聞かないでただ背中さすってくれたんですよ。」
「ななしはそうゆう奴だよ。」
「優しい人ですよね。」
「うん、そのくせ自分はあんまり弱さ見せないから心配なんだけどね。」
「ななし先輩そんな感じ…。」
大きな一軒家の前でママが足を止めた。表札には名無しさんと書いてある。
「え、ここですか?」
「そう!」
[ピンポーン!]
ママがインターホンを鳴らした。
「はーい?」
「まあと梨沙子だよー」
「早かったね!あいてる〜!」
ー先輩こんな家に1人で寂しくないのかな…?
「ほら、梨沙子行くよ!」
ママに呼ばれて慌てて我に返った。