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□愛情入りのお弁当
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「・・・ぐっちゃん、また痩せた?」
「えー?そうかなぁ・・・?自分ではあんまり分かんないけど・・。」
お稽古の休憩中、傍にいたづっくんがそう聞いてきた。
「かなり細くなったと思うよ?ちゃんと体調管理してる?」
「してるよー。ちゃんとご飯も食べてるし、睡眠もとってるし・・。」
「なら、いいんだけど・・。!」
すると、しばらく2人で話をしていたら、づっくんが何かに気付いてこう言った。
「;・・・あのさ、ぐっちゃん。」
「?何ー?」
「・・ぐっちゃんから見て、“5時の方向にこっちを心配そうに見つめている子”がいるよ?;」
「(?)・・・・・あ。」
その方向を見ると、楽譜で顔を隠しつつ、チラチラとこっちの様子を伺っている凜音がいた。
「・・・・・。(・・何してるの、あの子;)」
「・・・!?;」
フイッ・・・
私と目が合った瞬間、凜音は少しびっくりした後に視線を逸らした。
「・・・話、聞こえてたのかもねー。」
一緒に見ていたづっくんの言葉に「なるほどね」と思い、今のは見なかったことにしておいてあげた。
――その翌日・・・。
「あ!りかさん!」
「凜音・・?どうしたの?」
「あの、実は・・今日早起きして、りかさんにお弁当作ってきたんですよ//良かったら、食べていただけませんか?♪」
そう言って、私の目の前にお弁当箱を差し出してきた。
「え?わざわざ作ってきてくれたの?」
「はい♪・・最近、りかさん公演以外のお仕事が増えて、大変だと思いまして・・。元気になってもらうために作りました♪」
「そっか・・ありがとう、凜音。(昨日の挙動不審は、こうゆうことかぁ・・。)」
お弁当箱を受け取って、中を開けると形は少し歪なものもあったけど、私の好きなものがたくさん入っていた。
「・・・・随分、個性的な形してるね〜・・w」
「えへへ・・wあ!でも、りかさんの好きなもの中心に作りましたよ♪・・ちょっと栄養バランス偏っちゃいましたけど・・・;」
「ま、見た目はともかく・・。問題は味だねー♪wwまた前みたいに、めちゃくちゃ薄かったりして・・w」
「も〜!//wそれは食べてから言ってくださいよ〜!//」
「wはいはい・・♪」
少しからかってから、適当なおかずを選んで一口食べた。
「・・(モグモグ・・・。)(うん。悪くはないような・・・普通に美味しい。・・・少し重いけど・・;)」
「どうですか・・?」