ものがたり。

□知ってるから。
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※ナルマヨ、ミツメイの4人でディズニーシー行った設定のお話です。

書いてて途中で疲れたため、タワテラしかアトラクションに乗ってる描写がありません←
タワテラ終わったらもう帰るシーン←←

それでも良ければどぞ!!

(ちなみにスプリングヴォヤッジの期間です)





エントランスにて。

真宵「来ちゃったね夢の国!」

成歩堂「シーの方だけどね。」

スプリングヴォヤッジの飾りが施された入り口を見て、成歩堂と真宵は感嘆の声をあげる。
どうやらテンションが上がっているようだ。

真宵「ほら冥さんとみつるぎ検事も早く早く!」


きゃっきゃとはしゃぐ彼女とはうってかわって、御剣と冥は足が重い。



冥「まさか本当に来てしまうなんて…」

御剣「嫌だったのか?」

冥「………。」






きっかけはテレビでやっていたCMを見た真宵からの電話だった。

冥は何事かと出たのだが、それは思わぬお誘いだった。

「ディズニーシー行きたくなっちゃった!みつるぎ検事も呼んでさ、皆で仲良く行こうよ!」


そのような場所は自分には似合わないと冥は今まで1度も行ったことはなかった。

が、貴重な友人からの誘いは嬉しくなかったわけではない。













冥「バカがバカみたいにバカ騒ぎしてるような場所は、私には合わないのよ」

小声で悪態づきながらも、冥が内心楽しみにしていたのを御剣は知っていた。

素直になれない彼女に微笑みをむけて、先を行く成歩堂と真宵の後を追った。







アメリカンウォーターフロントにて

真宵「まずはこれでしょ!≪タワーオブテラー≫!」

成歩堂「初っぱなから飛ばすなあ真宵ちゃんは…」

御剣「……何だか上から悲鳴が聞こえてくるのだが。どういった乗り物なのだ?」

冥「外観からして、巨大なエレベーターといった感じだけど」

御剣「え、エレベーターだと!?断る!断固断るぞ!」」

真宵「大丈夫ですよ!落ちるだけなんで」

御剣「落ちる!?」

成歩堂「垂直に3回程落ちるんだよ、これ。」

御剣は顔を青くした。

ただでさえエレベーターにトラウマがあるというのに、更に垂直に落ちるなんてもってのほかだ。

御剣「私は遠慮させて頂く。その辺で待っているから、君達だけで乗ってくるといい。」



冥「…駄目よ。来なさい」

意外にも、無理強いしたのは冥だった。
冥さんさっすが!わかってるぅ!と喜ぶ真宵を横目に、御剣は抗議の声をあげようとして あることに気が付いた。

冥が、自身の服の腕の所を強く握っている。これは法廷でもやっている彼女の癖だ。

不安な時、気持ちの余裕が失われている時限定の癖。


御剣(もしかして…)


そして御剣は冥の言葉に折れ、渋々と乗ることにしたのだった。




冥「それにしても」

冥はホテルハイタワー内に置かれた様々なコレクションを見ながら言った。

冥「不気味ね。ミイラの入った棺まであるじゃない。終いには呪いの偶像まで手に入れて、そのせいで行方不明。ハイタワー3世とやらはバカの極みね」

真宵「呪いの偶像はシリキ・ウトゥンジューっていうんだよ」

成歩堂「それを言うならシリキ・ウトゥンドゥだよ」

冥「…どちらでもいいわよ」


御剣は冥の手を見ていたが、相変わらず服を握ったままだ。
ついでにいえば、苛立ったような複雑な表情を浮かべている。


それを見て彼は思った。

恐らくメイは、このアトラクションが怖いのだ。
真宵くんの為に付き合ってあげているが、本当は乗りたくなんてないはずだ。
一人では心許ないから私を無理に誘ったのだろう。


強がる冥が、何だかとても可愛らしかった。
それと同時に、自分が守ってあげないと、という気持ちを駆り立てられた御剣はぐっと拳に力をいれた。




いよいよエレベーターに乗った。

一番後ろの席で4人一列に座る彼らの表情は、真宵がワクワクしているのに対しあとの3人は真剣そのものだ。


そしてエレベーターが上がった。



ハイタワー3世が消えたあの夜が再現される。

「呪いの偶像だと?馬鹿馬鹿しい」

だがその瞬間ウトゥンドゥの目が光りだした。


「シリキ・ウトゥンドゥの目が!……うぁー!」

あっという間にハイタワー3世の体は浮き、エレベーターから落とされてしまった。

そしてそれを見ていた我々にウトゥンドゥが笑いかける。



成歩堂「これが、ハリソン・ハイタワー3世の行方不明のこたえなんだな」

御剣に話かけたつもりだったのだろうが、彼はそれどころではなかったようで一切聞いていなかった。


エレベーターはまた上がったかと思うと
大きな鏡のある階に着いた。


この世の自分に別れを告げるのだ、との声に乗客は面白がって 映る自分に手を振る。

ぶんぶん振っていた真宵は、ふと鏡を見て思った。

(あれ…)


隣に座っている成歩堂の、その奥の冥が俯いている。そしてそんな冥を御剣は鏡越しに心配そうに見つめている。


(ははぁーん)

真宵の笑顔が最上級になった時、ついにエレベーターも最上階に着いた。




扉が開いたかと思うと、ディズニーシーの景色が見える。

御剣「ほら冥見てみろ、ショーが見えるぞ」

言われて顔をあげると確かにそこではレジェンドオブミシカが行われているのが見えた。

一瞬冥の気は和らいだものの、またすぐに険しい顔をした。

御剣「冥……」


途端冥はふわっとしたぬくもりに包まれた。



ガタン


1回目の落下だった。


冥「きゃ…っ!」


冥はベルトを両手で持ち、悲鳴をあげた。











そのあとも結局、エレベーターは3度落ちた。

放心状態だった冥だが、降りる時にふと我に返った。


(最初に落ちる直前からずっと感じていたぬくもりは何なのかしら…?)


ドアが開き、乗客が一斉に降りだした頃にはもうなくなっていたそれ。



真宵「あー楽しかった!ね、ナルホドくん!」

成歩堂「結構スリルがあるよね!なかなか面白かったよ」


彼らは出口に向かう通路を歩いていた。



冥はあまりの恐怖に苦い顔をしていたが、すぐ横に御剣がいる為平然を装った。


ちら、と見ると 微かに御剣の右腕が震えている。


冥「そんなに怖かったかしら?」

え?と聞き返す御剣に冥はほら、と腕の震えを指差し指摘した。


御剣「うム。また新たなエレベーターに対するトラウマが出来てしまったのではないかと思う程…その…迫力があったな」


元々エレベーターが怖い御剣には、想像を絶するような恐怖体験だっただろう。

だがしかし彼は、悲鳴の1つもあげなかった。






真宵「見て見て写真!ナルホドくん、4枚ね!」

真宵の声のする方を見ると、そこにあるモニター画面に自分達の姿が映っていた。

どうやらそれはアトラクションが動いている時に撮影されたもので、写真として販売しているようだ。


成歩堂「なんで人数分なんだよ!しかも僕?御剣の方がお金持ちなんだから御剣に言いなよ!」

御剣「このようなアレは…恥ずかしいな…他のにしないか?」


3人が騒いでいる一方で、冥は画面を食い入るように見ていた。



冥「あ…」



そこにはしっかりと映っていた。

恐怖に俯く冥の体を、御剣の腕がしっかり抱き締めているのが。

彼の右腕がしっかり自分にまわされている。


自分も怖かっただろうに、その右腕は何かに掴まることなく自分を守ってくれていたのだ。



冥「バカね……」


冥がくすっ と嬉しそうに小さく笑ったのに気付いた御剣は、彼もまた満足そうに微笑むのだった。

























帰り際。

御剣は車を運転しながら、ちら とディズニーシーを見た。


御剣「なかなか楽しかったな」

真宵「そうでしょー?やっぱいいねディズニーは!」

成歩堂「久しぶりに、子供に戻れた気分だったよ」

真宵「私もー!」

成歩堂「真宵ちゃんはまだ子供だろ?」

真宵「違うもーん大人だもーん」

成歩堂「19歳は未成年ってよばれるくらいなんだから子供なんだよ」

真宵「あー、それ冥さんにも言えるのー?冥さん敵にまわしたら怖いんだからねー!ねぇ、冥さん聞いてた?ナルホドくんが冥さんのこと子供だってー」

成歩堂「(元から敵にまわしてるって…)あ、こら!ち、違うんだ狩魔検事!」


後部座席にいた成歩堂と真宵は、助手席にいる冥に話しかけたが、冥は窓の方を見ていて、一向に返事が返ってこない。

真宵「冥さーん?」



どうした、と冥を見た御剣は驚いた顔をした。

御剣「冥はどうやら…眠っているようだ」


成歩堂「(良かった…)ほら、起こしたら可哀想だし、静かにしててあげよう?」

真宵「お疲れなんだねー…」


御剣「…珍しいこともあるものだ。メイがこうして人前で眠るなんて初めて見たぞ」

真宵「え、そうなの?」

御剣「ああ。幼い頃から他人を警戒していて、誰かに歩み寄ることはおろか 心を開いた人物さえいなかった。…それが、こんな無防備な姿を見せるなんてな」


あどけない寝顔をした冥が、寝息をたてている。



真宵「私達のこと、友達だと思ってくれてるのかな。」

成歩堂「きっとそうだろうね。良かったね、真宵ちゃん」



冥「う…ん……」


途端、冥は寝返りをうち 運転席の御剣の方を向いた。

声に反応して一瞬横を向いた御剣は、冥の初めて見る寝顔が自分の方に向けられていることにびっくりした。









冥「…レイジ…ありがと」

真・成・御「!?」


成歩堂「き、聞いたか!?狩魔検事がありがとうなんて…!」

真宵「良かったねーみつるぎ検事!頑張った甲斐があったねー!!

御剣「なっ、ま、真宵くんは知っていたのか!?」

成歩堂「何がだよ!ずるいぞ仲間外れなんて!」

真宵「実はみつるぎ検事はねー…」

御剣「い、言わないでくれ!!!!味噌ラーメンでも何でもご馳走させて頂こう!」

真宵「わーいやったーっ」



御剣は、冥からの素直な告白に顔を真っ赤にし 皆を送ったあともまだ茹で蛸状態だった。


余談だが 完全に心を開いた冥は起きることがなく その夜は御剣が自分のベッドに寝かせ、隣で眠ったそうだ。

目が覚めた冥は 間近にある御剣の寝顔に顔を真っ赤にして、驚いて平手打ちし 彼はそれで目覚めたのだとか。









――――――――――――


ただ書きたかっただけ(笑)

この前ディズニーシー行ったとき思いついたネタww

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