カーニヴァル
□序幕
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「星娜、次のターゲットは輪だ。」
外から帰ってきた花礫は、そう星娜に言った。
「 輪?」
「あぁ。肉屋のおっさんに聞いたんだけど、丘の上に住み着いた女がカラスナを取り締まりに来た輪らしい。」
「へぇー、そうなんだ。でも、なんで輪?噂でしか聞いたことないけど、輪って治安部みたいな防衛組織なんでしょ?」
今まで花礫と星娜は悪徳成金しかターゲットにしたことがなかったため、防衛組織をターゲットにするのは極めて異例のこと。星娜が疑問に思うのも無理はなかった。
「なんでも防衛組織ってのは表向きで、裏では金持ちからワイロとって犯罪見逃してるって話だ。きっと屋敷の中には金目のモンがたっぷりあるはずだ。さっき計画に参加するってヤツらと会ってきた。明日の夜決行するけどお前も来るか?」
花礫の言葉に星娜は納得し、ニヤッと笑った。
「"来い"の間違いでしょ?勿論、行くに決まってんじゃん。」
「お前ならそう言うと思った。」
その時、2人はまだ知らなかった。
この世の中に、人間以上の化け物がいることを・・・・
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