カーニヴァル
□指名手配
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倒れた无を花礫が担いで家に運び、水を飲ませたら少しは落ち着いたようだった。
話を聞くと、数日間食事をしてなかったらしい。
家の中にはまともな食料がなかったので、花礫と星娜はミネの屋敷から盗ったモノを換金するついでに食料調達に出かけた。
「さすが花礫だよね。あの状況でもちゃんと盗るモン盗ってきて、しかも過去最高換金率じゃん!!」
「はぁ?そんなの当たり前だろ。まぁ、これでヤバイ目にあった代価は取れたな。」
しばらく歩くと、馴染みのある肉屋に着いた。
「よぉ、花礫。それに星娜ちゃんもいるじゃんか。2人で買い物なんて珍しいな。 今日いいのはラギスだぞ。」
「じゃあ、それも。あと今、栄養価一番高いのってどの肉?」
「なんだよ、女孕ませたのか!?あっ、もしかして星娜ちゃんか!?」
「へっ?ちっ違います!!!」
星娜は顔を真っ赤にさせて否定する。
「馬鹿言ってんじゃねーよ。肉!!」
花礫と星娜は肉を受け取りお金を払うと、店をあとにした。
「そういえば、さっきおっさんも言ってたけど、お前が買い物ついてくんの珍しいよな。いっつも買い物が俺で調理がお前だったのに。なんか用でもあったのか?」
「あぁ、そうだった。私まだ无ちゃんのことなんにも聞いてないから、教えてもらおうと思って。无ちゃんの前で聞いて良いか分からなかったし」
「そっか。お前に言ってなかったな。お前、アイツが腕につけてる腕輪って気付いたか?」
「なんかやけに高そうなのつけてたよね。やっぱりあれが目当て?」
「あの腕輪って嘉禄って奴の輪の身分証らしいんだ。んで、助けてやる代わりに詳しく話聞かせろって。」
「なるほどね。じゃあ早速帰って、无ちゃんに話聞こうか!!」
2人は家への帰路を急いだ。
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