カーニヴァル

□騒音
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「・・・何ヤッてんのお前」


やっと落ち着いて座席に座ると、无が両耳に手を当てウンウンと体を揺らしていた。

「変な音がするよ。」

「音ォ?全然フツーだろ、むしろ静か・・・」

花礫は自分の言った言葉で気付く。
車内が静かすぎるのだ。

立ち上がり車内を見渡してみるが、やはりこの車両には他の乗客が1人も乗っていなかった。


「・・・花礫、どうする?」

「ちょっと見にいくか。」


花礫と星娜が立ち上がると、无も立ち上がった。


「花礫、星娜ちゃん?どこ行くの?」

「なんか妙だろ、確認だよ。」

「无ちゃんはここで待ってて・・・え?」

突然、大きな音と共に黒服の男が列車の天井から落ちてきた。

「・・・っ!」

花礫はとっさに銃を構えるが、男の膝蹴りをくらって床に倒れ込む。
星娜は唖然とする。

(この人、一瞬で花礫を倒した・・・?早すぎて全然気が付かなかった・・・)


「こんな子供が見張りとは…」

「!?」

黒服の男の視線が怯えている无に向けられ、星娜は隠し持っていた銃を構える。

「お嬢さんがこんな物騒なモノを持つのはいけないなぁ。」

「っい・・・!」

相手の隙をついたはずだったが、気付いたら男に手を掴まれていた。

徐々に込められる力に耐えられず、銃を落としてしまう。

「ッ无ちゃん、逃げて!」

星娜は震えながら涙を浮かべている无に向かって叫ぶと、黒服の男も无へと視線を向ける。


「アレ?切符持って・・・えーと・・・」

黒服の男は无のてに握られた切符を見て、少し考え込む。

「ああ!一般の・・・」

何やら納得した男は、掴んでいた星娜の手を放す。

星娜は急過ぎる展開について行けず混乱していた。






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