カーニヴァル

□輪
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入り江の街 トージ

そこで、花礫と星娜は无が失くした帽子を買っていた。

お店の人の話によると、この街で一昨日まで輪の一斉捜査があり、今日はそのお詫びのショーがあるらしい。

「情報探しに来た街に輪がきてるなんて、すごい偶然だよね。」

「そうだな。お前、運だけは強ぇのか?」

花礫が買った帽子を无に深く被せると、3人は宿へと歩いた。

普通に歩いてるだけなのに、无は治安部に見つかりそうになったり、話しかけても別の方を見てたりと花礫と星娜をハラハラさせてた。




宿に着き、花礫と星娜は地図を広げてこれからの計画を立て始める。

「輪に行って嘉禄に会えたら・・・どうして急にいなくなっちゃったのか教えてくれるかな。それからこの腕輪、花礫にあげていいかすぐ聞くね!」

无は窓から外を覗きながら言った。

「よろしく。夜になったらショーの会場行って輪の人間に接触するからな」

「无ちゃん、勝手に外に出たらダメだよ。治安部に見つかったら嘉禄に会えないからね。」

それから、花礫は輪の人に会ったらどう説明するかを无に教えていた。

「けどお前、あれだな。よくさぁ・・・お前みたいな世間知らずが、行ったこともない場所に兄弟捜しに行こうと思ったな。まぁ・・・世間知らずは怖いもの知らずか?」

花礫や星娜には无がここまで嘉禄を探すことが理解できなかった。

「ただ一人で不安とかじゃなくて、何か他にあるの?行動しようと思う理由みたいのが」

「えと・・・俺、こわくて・・・でも、嘉禄の手はおひさまみたいだった。だから、いなくなっても、今度は俺がそうするんだ」

相変わらず少しずれた答えに花礫は意味不明だという表情をした。

「あ・・・そう。にしても、外歩くたんびに治安部に見つかってたら捕まるのは時間の問題だぞ。」

「まぁ、今日はショーがあるから治安部に見つかる可能性も高いし・・・どうにか逃げれないかなぁ・・・」

そう言いながら星娜は无のそばに行き、帽子を深く被せたりタオルで顔を覆ってみたりと様々な変装を无に試した。

それを見ていた花礫は、ふとあることに気づいた。

「无、このパーカー着てフード被って後ろ向け。星娜もフード被って後ろ向け。」

そう言って、花礫は无にパーカーを投げた。
星娜は不思議に思いながらも、花礫の言う通り无にパーカーを着せてから自分もフードわ被り後ろを向いた。

それを見た花礫は、ニヤリと笑った。
「よし。この作戦で行くぞ。」






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