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□鏡
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暑い。
まさに夏、という言葉を頭の中でつぶやいた。
クーラーのないこの部屋では、「諦めなさい」と言うかのように、風力を最大にした扇風機が首をふる。

カチッ

だるく、朦朧としはじめた意識の中で、ひどく軽い、意図的な音が響いた。



「……奈子!!!!」
「なに」
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