花が咲く場所

□家
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自分の家にたどり着いた時には

時刻は11時を指していた。


はぁ。

また、こんな時間。


帰り道で買ったコンビニ弁当を食べる。

私は携帯を取った。

長らくかけていなかった番号を呼び出す。

[電話は電波の届かないところにあるか………]

ーーーブチッーーーー

やっぱり母は出なかった。

母がいなくなった当初は毎日電話していた。

でも、止めた。

もう2年だ。

母がいなくなってから2年たつ。

それでも2年は母を待っていた。

でも本当は。

薄々、感じていた。

私は捨てられたんだと。

あの家を出るまでは、

生活費、学費すべて父が払っていた。

でも家を出てからは母が賄っていた。

美人でスタイルが良くて明るい母。

母は私が邪魔だったのでは。

そう考えられずにはいられない。

でなければ連絡の1つぐらい。

私は泣いた。

母がいなくなって初めて泣いた。
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