流れ行く時
□別世界
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私の家は名の通った名家だった。
数年前までは。
まだ幼かった私に理由は分からない。
だが、家が傾きだした事だけは分かった。
毎日のように苦しくなる生活。
私の家族は、
母、父、姉、弟、私の5人家族。
高いものは手に入らず。
ご飯を食べるのがやっと。
それでも家族でいるのは楽しかった。
そんなある日、母が着物を買ってくれた。
父が飴を買ってくれた。
姉が一緒に遊んでくれた。
おかしな事の連続。
姉はお年頃で私とは遊ばないのに。
普段は。
みんな変なの。
今なら分かる。
賄賂だったんだ。