diamond
□入学
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茄蓮は桜吹雪の舞い散る門を潜った。
青道高校。
その門を。
入学式も呆気なく終わり、野球部グラウンドへと歩いていた。
前方に見知った顔を見つける。
試しに声をかけてみた。
「吉川さん?」
その子が振り返ってホットした顔をする。
「あ‥‥」
どうやら、こちらの名前が思い出せないらしい。
「広瀬茄蓮。」
「こめんなさい。私、トロくて。」
「それより、ここで何してるの?」
「野球部のマネージャーをしたくて‥‥」
茄蓮は早速仲間ができそうで嬉しかった。
「私も!一緒に行こ?私のことは茄蓮でいいから!」
「あ、私も、春乃でいいよ。」