あなたと同じ夢をみたい…
□2 銃声
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ドンッ!ドンッ!
通い慣れた軍の射撃場にいつもの音が響く。
「お、リザちゃん。今日もやってるねぇ!」
「えぇ。日々の鍛練は大切ですから」
声をかけてくれる上司に言葉を返す。
「調子もよさそうだし、あいかわらず銃の腕は申し分ないなぁ」
「ありがとうございます。」
ホントはちょっと調子が悪いんだけど…。
「じゃあ、がんばれよ!…て、言っても程々にして帰るように。もう外も暗いしな。」
「わかりました。」
敬礼して上司を見送る。
そして再び銃を構える。狙いを定めて…
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
…………
ほらね…。
的には当たる。でも狙ったところには当たらない。
なんだか憂鬱…。
『今夜は花屋のエリ−と食事だ。』
あのひとの声があたまを廻る…。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッドンッ!
心なしかいつもより音も荒れている…。
私の気持ちを反映してくれているのかしらね?
ドンッ!
ひとの心を怯えさせる厳しい音。
ドンッ!
ひとの命を奪う冷たい音。
ドンッ!
でも、あのひとを守る為の頼もしい音。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!
どこか私と似ていると思うのはおこがましいかしら…?
-終-