Short story novel
□甘いみるくてぃ
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「し、シンタローさんっ…」
セトに吊られて俺も赤くなっていくのが、分かる。
「えっと…あの…そ、の…」
恥ずかしくなり、うつむいて携帯をいじるが、全く集中出来ない。
すると
「シンタローさんっ!」
明るい声で俺の名を呼んだ。
それに反応して、勢いよく
「はいっ!!」
と返事をしてしまった。
あぁ…さっきの赤面は、どうやら…俺まだ赤いのに…。
セトの顔からは、赤みが消えていた。
「わざわざ俺の為に作ってくれてありがとうっす!」
ニコッと笑う姿は、まさにイケメンだった。
くそぅ…
心の何処かでそう思った。
「なので…早速ですがお礼をしたいっす!」
「お、お礼…なんていらねぇよ…」
たかがミルクティー。
また、携帯に視線を落とそうとすると、スッと大きな影が出来た。
俺の目の前に、セトが立っていた。
「あ、やーお礼…本当に大丈…」
「甘いのには、甘いお礼っすよ」
と、意味不明なことを言ったと思いきやセトの顔が見えたと思ったら、すぐに見えなくなった。
ミルクティーの甘い香りが、俺の口に広がった。