リアルディリュージョン

□第一章
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20xx年7月19日
とうとう明日から夏休み。
午後2時‥
照りつける太陽の下に少年が1人

少年の容姿は黒髪の白い肌、遠くから見れば短髪の女性に見えるほどの体格…

ふと少年は小声で呟いた

少年「あちぃ」

少年が呟いた声の振動で頭に溜まった汗がついに頬を伝いたれた。

汗がたれたと同時に少年は叫んだ

少年「だあああ!あちぃんだよ!バカ太陽!」

少年の声は思ったよりも大きいせいか、周りの通行人がこちらを見つめる。

少年「…」

少年は下を向き少し反省した

そう思いながらふと視線を前にやる
黒髪で長髪のかなり可愛らしい少女がこちらを見ている。
年は中学二年生、高校二年生の俺より3つ下ってところかな

なんで中学二年生ってわかるかって言うと…

少女「お兄ちゃん!帰るの遅いから迎えに来ちゃったじゃない!」

俺の妹だからだ…
ちなみに名前は二条 唯(にじょう ゆい)

少年「しらねーよ…」

無愛想な顔をしながら吐き捨てるように言った。

そう言うと少しムキになる妹

唯「お兄ちゃんはいつも適当!だから彼女できないんだよ!」

関係のないこと言う妹…
少し生意気だ。

ため息をつきながら俺は唇をめんどくさそうに動かす。

少年「はいはい。で、何の用なんだ?」

唯は俺を見ながら軽く睨む。

唯「もう。今日はママの誕生日でしょ!明後日から夏休みだし明日は精一杯お祝いするって言ったのお兄ちゃんじゃない!」

そう言えばそうだった。が、乗り気ではなかった。
なぜなら今日の朝に母さんと喧嘩したからだ。

喧嘩の内容は実にくだらない。
唯は先に学校に行っていたため、喧嘩を見ていないが一度家に帰っているなら母さんから話くらい聞いただろう。

と思いながらも喧嘩のことを唯に話す。

少年「朝、喧嘩したんだ」

唯「え?」

聞き返す妹

少年「だから、朝 母さんと喧嘩したんだよ」

唯「喧嘩?何で」

少年「いいだろ?なんだって」

理由がくだらなすぎていくら妹でも言えない

と言うか、母さんから喧嘩の内容を聞いてないらしい。

唯「理由は何であれ、お祝いするなら謝りなよ!」

また偉そうに妹が言うが、今回は謝ろうと思う気持ちにさせてくれた妹に感謝する。

少年「わかったよ」

少し穏やかに言った。
妹も納得したようだった

じゃあ家に帰るか、と言おうとした瞬間だった。
この暑さの中、水分も取らずにいたせいか唇が動かない。意識が遠退く…視界が暗くなる。
妹が何か言っているがもう聞こえない。俺はそのまま倒れこんだ。
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