テニス始めました
□No.4
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リョーガSide
俺が紅蓮に興味を持ったのは、チビ助がなついていたから。
その証拠に少し挑発すると面白いくらい乗ってきた。
紅蓮と出会って数日後、遊びに誘った。
誘ったはいいが特に行きたい所がある訳でもなく、うちに連れて来た。
キョロキョロと部屋の中を興味深そうに見回す紅蓮に少し吹いた。
その姿が小動物みたいに見えたから。
そして質問タイムに入り、待ち合わせ時に紅蓮が歌を口ずさんでいた事を思い出した。
チビ助も思い出したみたいで聞くと、案の定好きだと返してきた。
「なんでもいいから歌ってみろよ」
俺達の無茶ぶりに紅蓮は渋々了承し、歌ってくれた。
そして、驚いた。
いつもは幼い声なのに大人っぽい声だったから。
歌に込められた想いを上手く表現していた。
それはとても切なくて、気がついたら涙が流れていた。
そして歌う姿に、声に魅了されていた。
こいつ、スゲェや。
それが第一印象だった。