テニス始めました

□No.7
1ページ/8ページ

今日も1日お疲れさんっと。


教科書等をランドセルに強引に入れる。



「紅蓮、そろそろ行こう」


「あ、わり!
今日は俺、スクール休むわ」



きょとんとする周に顔の前で両手を合わせる。



「…え…なんで?」


「今夜祭りだろ?
その準備があるからな!」



ニカッと笑って答えると周は納得したように頷いた。



「あぁ…
僕も一緒に行っていいかい?」



首を傾げる周に俺は眉を下げる。



「ごめん。
毎年夏祭りは近所の幼馴染みと2人で行くんだ」


「…そっか」


「本当にごめんな」



シュンとなった周の頭を撫でた。


…可哀想だけどこれは2人の決まり事だから。



「…わかった。じゃあ、またね」


「あぁ、またな」



いつもは走らない廊下を走って行った俺は…



「…紅蓮…」



周の切ない声に気がつかなかった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ