テニス始めました
□No.4
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今日は紅蓮が日本へ帰る日。
「また、あえる?」
紅蓮はチビ助の問いに驚いたように目を見開くと、次の瞬間優しく微笑んだ。
「な〜にいってんだ。
んなのあたりまえだろ。
おまえらがおぼえていてくれるかぎり、またあえるさ」
そんな紅蓮の言葉に何故か笑みが零れた。
年下の癖にチビ助の頭だけじゃなく俺の頭まで撫でてきた紅蓮に息をつく。
「ったく生意気なんだよ!」
「うわっ!?」
ガシガシと紅蓮の頭を撫でてやると、おかしそうにケラケラ笑っていた。
「紅蓮ー! そろそろ行くわよー!」
「いまいく!」
紅蓮の母親らしき人に会釈され、反射的に返すと紅蓮と同じ笑顔で笑ってくれた。
なんか…
凄くいい人だな。
「じゃあ、じかんだからいくな?」
「…あぁ」
「いつでもれんらくしてくれ!
リョーマもけいたいかうまでは、いえからかけてくれてもいいから」
「…うん」
悲しそうなチビ助に紅蓮は苦笑してまた軽く頭を撫でた。