書物

□まずは自己紹介からですね。
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「えと…つまり今までの状況を整理すると………。
皆さんは、その白銀色をした何かに触れた瞬間、ここへ来てしまったというわけですね。」
佐「そうなるね。」
「……となると………。
皆さんは“時を超えて来てしまった”ということですね。」
政「………Why?」
「皆さんの名前を聞く限りでは、どれも戦国の時代で活躍した方に間違いはありません。
嘘を言っているようにも見えませんし、格好からしてもそうですからね。
となると、考えられる可能性はその位しかないでしょう。
他にも色々思い浮かびますがどれもその確率は低いです。
……それに、ここが未来だという証拠は幾らでもありますからね。
それも…4〜500年後の未来だということを。」
佐「そんなに後の未来が………!?」
「試しに、景色を見てみますか?」
そう言って、大きな窓のカーテンを思い切り開けた。

その時の反応は、述べるまでもない。
更にあれこれと機械の説明やらをしていると、また驚かれた。
流石にこう変わっているなんて思いもしなかっただろうとしみじみ思った。
そう思う筈だ。
戦ばかりのご時世を生き抜いてきた彼等は、これほどまでに変わっていたとは考えもつかないだろう。
例えるなら、まるで浦島太郎だ。

佐「あ、質問だけど。」
「はい。」
ふと何かを思い出したように迷彩柄の男性ー猿飛さんは私に質問を投げかけてきた。
その質問に、私は少し戸惑った。

佐「今の話を聞く限りだと、今のこの国では戦が無くなったんだよね。
日ノ本は一つになったんでしょ?

………誰が天下を統一したの?」




その質問に私は答えるべきなのだろうか。



もし、彼等に言ってしまったら?





その質問の答えを



私は





「………残念ですが、その質問には答えることは出来ません。」




答えないことにした。
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