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□晩御飯にしましょうか。
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「さて、時間も時間ですからね。
晩御は……いえ、あなた方の言葉では「夕餉」と言いましたね。
何か食べたいものはありますか。」
元「俺は何でも良いぜ!」
佐「俺様も何でも良いよ。」
片「俺も平気だ。」
半「僕も大丈夫だよ。」
政「俺も何だって構わねぇぜ。」

……と言われても……。
「…そう言っていただくのはありがたいですけど……。
………………それだと何を作って良いのか更に混乱しますよ。」

…………………………………。
………空気が重くなってしまった。
「……突然洋食だと難しいか…。
……それなら、和食にしましょうか。
3〜5日位それで慣れてきたら他にも作りますので。
………何か異論はありますか?」

………………異論は無し、か。

「無いようなので今日はそれにします。
もし何かリクエストがあれば言って下さい。
出来る範囲なら作りますので。」
政「!」
「どうかしましたか、伊達さん。」
政「アンタ……異国語が分かるのか?」
「異国語…。
ああ、英語のことですか。
知り合いもいるので多少なら分かりますよ。」
政「Hum…成る程な。」
「料理は私が勝手に決めます。
皆さんは、リビ…違った。
居間でくつろいでいて下さい。
先程部屋のある場所等は一応全て見せたので。
何か分からないことがあれば早急に言って下さい。
そちらの方が助かるので。
以上で私からは終わります。
解散です。」
そう言ってからキッチンへ行った。



………さて、何を作ろうか。

………………和食、ねぇ………。
何があるだろう。

煮物でも良さそう。
焼き物も良いな。

佐「何か手伝おうか?
ちゃんと一人で作れるの?」
「ご安心を。
最低でも生きていける限りの料理は作れますから。」
佐「え?(……生きていける限り…?)」
「どうかしましたか。」
佐「あ…ううん、何でもないよ。(どういうことなんだ…?)」
「そうですか。
てっきり私の言った言葉が酷く間違っていたのかと思いました。」
佐「いやいや、そんなことないよ!?
凄く丁寧だし、聞き取りやすいし…有り難いよ?」
「それなら良かったです。
もし分からない言葉を言ったらすぐに聞いて下さい。
分からないことをずっと引きずっていたら何時まで経っても解決しませんし、良い心持ちにもなりませんからね。」
佐「ん、了解。
で、やることはある?」
「ありませんよ。
食事ならすぐに準備するのでお構いなく。
皆さんと一緒にくつろいでいて下さい。」
佐「そんな!
5人分なんてかなり大変だよ?
俺様も手伝うよ。」
「でもそんなこt「いいってば。俺様こういうことに慣れてるし。
………ね?」

そう言うと妖しく笑みをつくり、右手で私の唇をなぞった。

佐「へぇ、驚かないんだ。」
「ええ、生憎ですがこの位で驚く程私は甘くはないですよ。
この程度で堕ちると思ったら相当な阿呆ですね。」
佐「ちょ、阿呆って…(汗)
いくら何でも酷くない?それは…。」
「酷くも何ともありませんよ、率直な感想を答えたまでのことですよ。」
佐「その答えがあまりにも酷いって言ってんの!
いや確かに素直に言うのは良いことだけどさ!?
ちょっと、こう…柔らかい表現とかないの?(汗)」
「へー、そんなものあるんですかー。
わー初耳ですーはいー。(棒読み)」
佐「ちょ、初耳って…。」
「というか早く作りたいのですが。
結局どうするんですか手伝ってくれるんですかくれないんですか白黒はっきりさせて下さいよこんちきしょーめ。」
佐「そんなはっきり言わないで!
地味に傷つくから!!(汗)」
「そのままもっとキツツキ。
あ、間違えました。
傷口。
あ、間違えた。
血飛沫。
あ、間違えた。
ししおどし。
あ、間違えt「もうやめええぇぇぇいっ!!」
あ、駄目でしたか?」
佐「ダメ!絶対ダメ!」
「何故この場で麻薬撲滅キャンペーンのスローガン叫んでるんですか。
…あ、テレビのコマーシャルを見てそれを知って……。」
佐「違あぁーうっ!
てか何その麻薬うんちゃらかんちゃらって!
知らないし見たこともないから!!」
「え、違うんですか。
他に何か理由があるというんですか。」
佐「いや無いって言った方が変でしょそこは!?
あるからこうやってツッコんでるの!
分かってる?ねえ!?」
「さて、どこかの煩い人は放置して夕食の準備でもしますか………。」
佐「最後までちゃんと聞いてえええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!?」
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