恋模様

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冬は日が短いので、部活の時間も当然短い。
自主練に残るのはいいけど、所詮私たちは中学生。遅くまではいられない。
基礎トレーニングに時間を当てたらあっという間に終わっちゃう。

この日も部活が終わって、片付けを済ませて、一軍のコートに向かった。
すると、体育館からヨロヨロになった誰かが出てくるじゃありませんか。
あれは黒子君だ。私は慌てて駆け寄った。


「黒子君!」

「あ…葵さん」

「大丈夫?」

「はい、何とか。今日はこれで失礼します」


顔真っ青だけど!
そうだよね…いきなり一軍だもんね、キツいよね。

私は体育館に入ると、すぐさま赤司君に駆け寄った。


「赤司君」

「あぁ葵、悪いけど自主練に残るから待っていろ」

「ごめん、今日は先に帰る」

「?」

「黒子君が心配だし…先帰るね」


あの状態で帰らせたら道端で倒れかねない。
そう思ってすぐ踵を返したら、腕を掴まれた。


「赤…」

「このくらいの練習は普通だ。黒子にも最低限ついてきてもらわなければ困る。心配するところではない」

「だからって…慣れってもんもあるでしょ!?マネージャーとしても、倒れそうになってる部員を放ってはおけません!」

「ダメだ」

「離してよ!」


私は腕を振り払って体育館から出た。

何よ赤司君の冷徹!鬼!
人の心配して何が悪い!

キーってなりながら黒子君を追って部室に入ると、彼はもう着替えを済ませていた。
やっぱりもう満身創痍ですって感じだよ大丈夫かな。


「黒子君…無理しないで少し休んだら?」

「ありがとうございます。大丈夫です。部室にいたら邪魔になりますし…」

「そのための部室だよ何言ってるのっ」


私の制止を聞かず、黒子君は帰ろうと歩き出した。
まぁ無理には引き留めないけどさぁ…。喋るのもしんどそうだし。

だから帰る黒子君の半歩後ろをずっとついて歩いたんだけど、やっぱりだめだ。


「黒子君、休もう!」


無理やりでいい。
私は途中あった公園に黒子君を引き摺り込んだ。


 
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