恋模様2

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転校してきて早一カ月が過ぎた。
クラスにもだいぶ馴染んできたし、話の合う友達も見つけたんだけど、いかんせん赤司君といることが多くて、席前後だし。
おかげで溶け込んでるんだか溶け込んでないんだか。
元々群れない赤司君と行動を共にしている私は、どうにも珍しいようで。

なにやらみんなとの間に一線を感じる気がする…。
いや、気がするじゃない、引かれている。
間違いない。だって昨日のこと。
仲良くなってきた女友達と体育の時間、赤司君の話題になった。

転校生だというのにやけに初日から親しげな私と赤司君を不思議に思い、関係を聞かれ、小、中学が同じだったと伝えたのは間もなかったころ。
その時はへぇーそうなんだで終わってたんだけど、


『葵ちゃんはすごいね、あの赤司君の隣が務まるんだもん』


そんなことを言われたのが昨日。
私の頭には当然ハテナマーク。


『赤司君の隣に並んでも劣らないなんてすごいよ。あたしなら無理だね』

『そうそう、あんな高貴な人の横を平然と歩くとか』

『葵ちゃんも次元が違うねー』


この子たちは多分、褒め言葉として述べているんだろう。
私もそう受け取っておきたいところだけど…でもね、
私はもっと、みんなと深く絡みたいよ…!

私ってどうしてこう…馴染み切れないんだろう。
この悩みだけは中学の頃から消えないな…。


 
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