恋模様
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中学一年の夏。
あの頃の私は、けっこう人気があった。
とても天気が良い猛暑日のこと。
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
なんて、教室で男の子に呼び出しをくらう。
恥じらいながら話す男の子は「先に行ってるから」と場所だけ告げて姿を消した。
「ちょっと葵ちゃん、また告白なんじゃない?」
「え?」
同じクラスの桃井さつきこと桃ちゃんに、肘で小突かれる。
顔がちょっとニヤケてますよカワイこちゃん。
「い、いやあでも…昨日もあったし…」
「葵ちゃんモッテモテぇ!ほら、早く行かないと!」
「やめてよ桃ちゃん…。い、行ってきます」
私は顔が少し赤くなるのを感じながら教室を出た。