恋模様
□05
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朝比奈葵
特技
「位置について…よーい…」
――パァン!
クラウチングスタート。
「朝比奈7.19」
今日の体育で、50メートル測りました。
よかったータイム落ちてない。
これでも一応陸上部入ってたので足の速さには自信があったんだけど、マネージャーに変わってからはどうなったかと心配してたのだ。
たまに部員に混じってダッシュとかランニングとかしてたの良かったな(体が疼くので勝手に混じる)
「葵ちゃんはやーい」
「あー桃ちゃん」
「同じマネージャーやってるのに、葵ちゃんよく動くもんねぇ。私と違ってジャージ参加だし」
「動くの好きなんだ。見てるとどうも私もやりたくなっちゃって…」
体育だけは成績5。
まぁそれしか取り柄がないともいう。
タイム測ったら先に戻っていいとのことだったので、私は桃ちゃんと教室に戻った。
その途中、男子がサッカーをしてたのが目に入る。
私は不意にこんなことを漏らした。
「…男の子ってさぁ、なんか変わるよね」
桃ちゃんは当然「え?」と首をかしげてこちらを見る。
「なーんで男の子って、大きくなると変わっちゃうんだろう」
「どうしたの?」
「私小学校の頃まで赤司君の事、征君って呼んでたんだけど、中学入ったら急にやめろって」
「あーわかるよそれ!私も青峰君に言われたもん!」
「そうなの?」
「私も大ちゃんって呼んでたんだけど、やめろって言われた」
「そうなのかー」
やっぱり一緒かぁ。
そんなもんなのかぁ男の子って。
こっちのことは呼び捨てなんだけどな。
てか女子をあだ名で呼ぶ男子ってあんま見たことないかも。
あ、いや一人いるか。