恋模様
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二年生になりまして。
一年生が入ってきました。
さすが、初日でもすごい人数だ。
当然一年生の多くは三軍スタート。
で、三軍を見る私はその多くの人数を見なければならない。
つまり、私は一年生の面倒見係りということになります。
「なぁ、ここの女マネめちゃ可愛くね?」
「思った、特にあそこの二人だよな」
「俺ピンクの方だなぁ」
「俺は茶髪の方」
なんて、私を知らない一年生はこんな会話をしていたらしい。
まだ練習開始前の体育館は騒がしかった。
続々と集まって来る一年生を見ながら、何人が残るのかなーとか思ってると、背中にずしっと何かがのしかかった。
「あれ、赤司君、どうしたの?」
真後ろには赤司君。
後ろから私の首に腕を回していた。
「赤司君?」
「…虫よけ」
「虫よけ?あ、あるよ虫よけスプレー、いる?」
「や、いらない」
いらんのかい。
「もうすぐコーチが来る。先に一年生をまとめておいてくれるか」
「はい」
赤司君は私を離すと、また一軍の体育館に戻って行った。
桃ちゃんもついて行ったところで、私は一年生に招集をかけた。
「それじゃあ一年生、今から呼ぶ順番に並んでくださーい」
一番から順に呼んで、ある程度並んだところで、私はスッとみんなを見据えた。
「よし。これから集合するときは、この番号順に並ぶこと。自分の番号覚えてくださいね。
私は朝比奈葵、男子バスケ部のマネージャーをしています。主に三軍担当です。分からないことがあったら、私に聞いてください。よろしくお願いします」
私は軽くお辞儀をした。すると揃わない「よろしくお願いします」が返ってくる。
頭を上げて、また言葉を続けた。
「この後コーチが来てくれるので詳しい話はしません。さっそく喝を入れられるとは思うけど、それでも明日からまた来てくれると言う人は、頑張ってついてきてください。それと、初心者の子はコーチの話が終わったら私の所に来るように。最後に、上級生にはきちんと挨拶をすること!以上」
ここで話を切り上げて、私はコーチと入れ替わった。
…一年生怯まないといいけど。
可哀そうだけど、多分この子たちはこの先二年、スタメンになることは難しいだろう。
強豪とは知っているだろうけど一軍の迫力半端ないから、中途半端な気持ちだとついてこれないかもしれない。