恋模様
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全 中 優 勝 !!
二連覇!二連覇!!
今年の全中、無事優勝することができました!!
もう嬉しくて嬉しくて。
それから二、三日はスキップが止まらなかったよ。
続く三年生引退では、涙もなく去っていく先輩たちの前で私一人号泣。
嬉しいことも楽しいことも、悲しいことも色々あった夏が終わり、その頃からだ。
なんだかおかしいと感じ始めたのは。
ピリピリしてると言うか…。
桃ちゃんによると、みんなすこぶる調子が良いようなんだけど、それが逆に…怖いというか、どうも嫌な感じがするというか。
調子が良いなら、機嫌が良くてもいいんじゃない?て普通なら思うところだけど、実際話しかけてもみんなそっけないし。
そしてこの日、三軍の体育館にいた私は、一軍の体育館で何があったのか知らなかった。
ちょっとした異変に気付いたのは、赤司君との帰り道。
校門で赤司君を待っていると、いつもみたいにやってきて鞄を渡される。
そこでふと、小さな違和感を感じた。
「……ねぇ、赤司君?」
「なに?」
「目…どうしたの?何か変じゃない?」
「いや?特に」
「…あ、そう」
本人がそう言うなら、きっと私の気のせいなんだろう。
その時はそんな程度にしか思わなかった。
「でも強いて言うなら」
歩き出した赤司君が言葉を続ける。
「今までになく、いい調子だよ」
「ふーん…」
良かったね。
そう言って、いつもみたいに帰路を歩いた。