恋模様

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春と、夏の間の、冷たい朝。
袖を通す制服は、まだしわもなく新しい。
身だしなみを整えて、いつもの癖でヘアゴムに手を伸ばし、


「………」


手を離す。
長い髪をなびかせたまま駅へ向かい、電車に乗って、学校へ向かった。

新しい教室で、新しくできた友達と「おはよう」を交わして、チャイムが鳴って、

私の高校生活の一日が始まる。


自宅から近い高校を選んだ。
電車で二駅のその学校は、元々赤司君と同じ高校を目指していた私には、学力の面で少し余裕があった。

そのくらいが丁度いい。アルバイトをする余裕ができたから。
高校に入ったら自分のお小遣いは自分で稼ごうと思っていて、学校と家の間に位置している駅前の書店でアルバイトを始めた。
お母さんの助けにもなりたかったし。


高校では今のところ、残念と呼ばれることはなくなった。
ガサツな自分をやめたからだと思う。
女の子らしくなんてそんなもの、なんて考えていた私とはおさらばしたのだ。
素行はきちんとしていた方が将来いいに決まっている。


目立ちすぎず地味すぎず。
友達作りも順調で、きちんと女友達できました。


 
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