恋模様2

□38
1ページ/6ページ


今日は天気が良かったので、赤司君と屋上でお昼を食べることにした。
日差しが暖かくて心地よい風が吹き抜けて、とても気持ちが良い。
二人で壁に背を預けて座っているとき、


「次の授業寝そう」


あまりの心地よさに私がぼやいた。
すると赤司君が「今のうちに寝る?」て言いながら私と壁の間に腕を通してきたかと思うと、私のお腹に回してぐっと引き寄せてきた。
…背中に赤司君密着させたまま眠れるわけないじゃん。


「…余計寝れないけど赤司君」

「膝枕にする?」

「い、いいよ眠くない、眠くないから」


最近、赤司君ってこんな人だったっけ?と思う時がある。
やたらと手が伸びてくるというか。
心臓が悲鳴を上げるから困るんだけれど。

頭にそっと何かが触れる感覚。多分、赤司君のほっぺたあたり。


「…葵って、着痩せする方?」

「着痩せ?どうだろう…、ちょっと待って、それって私が思ったより太いってこと?」


私のお腹に手を回してそんなことを言うってことは、普通に考えたら見た目より太かったってことだよね。
状況からしてそう聞こえた私には岩でも落ちてきたような衝撃。
ところが


「いや…思っていたより大きかった」

「大き……、!!」


赤司君私のウェストのこと言ってるんじゃない。
お腹にあった彼の手、もう少し上の方に伸びてきていて


「っどこ触ってんのぉ!!?」


今ならバスケで誰のマークでも避けれるんじゃないかというぐらいの速さで赤司君から離れる。
バシッと振りほどいた彼の腕は手を上げた状態で静止していた。
睨んでみても、赤司君はニコッと笑うだけ。

あの赤司君が変態になっている…!?
でもそれを口にしてもきっと、上手いこと言いくるめられるのは目に見えているので何も言わない。言えない。


最近の私たちは、こんな調子だ。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ