アオハルデイズ

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桐皇学園との試合から二週間。
夏休みは終盤に差し掛かっていた。

敗戦から徐々に立ち直りを見せていたバスケ部だったが、ここへ来てひとつ、夏休みならではの問題が。
その問題を解決しようと一番に手を上げたのが森山だった。


「笠松、今日お前の家行っていいか」

「俺の?」


この日は練習が午前中で終わりだった。
部室で着替えを済ます中、午後から笠松家にお邪魔すると森山は言い出した。
当然幸男はなぜかと疑問符を浮かべたが、その意図をすぐに読み取り、オッケーを出した。


「よし、じゃあいつものメンバーで行くぞ。小堀、早川、黄瀬、いいよな?」


小堀と早川が即座に同意の返答を出す。
しかし黄瀬だけは、なんでっスか?と聞き返した。
そりゃあ笠松家にお邪魔イコール葵の家でもあるので大賛成なのだが。


「黄瀬、お前夏休みの課題は終わったのか?」

「あっ…」


笠松の問いかけに、黄瀬はすっかり…と間の抜けた表情を見せた。
夏休みに入ってからはIHのことで頭はいっぱいだったし、桐皇戦が終わったら終わったでそれどころでもなかったし、今はウィンターカップに頭が切り替わりつつあるし。
誰もが学生の本分を忘れていた。

夏休みの課題。
避けては通れない道だ。
言いだしっぺの森山も当然手をつけていないのだろう。と言うか、夏休みのこの時期は恒例になっているのかもしれない。笠松家で課題消化。

四人の顔を見るとそんな感じだ。慣れた様子で、よしやるぞーなんて言っている。

そんなことだから、黄瀬もせっかくだしここで課題を一気に終わらせようと、行きますと手を上げた。

(葵ちゃんにに会えるかもだしっ)


 
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