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□誠凛夢主と赤司で遠距離恋愛
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ちょっとした友情が段々好きに変わって、お付き合いさせてもらってた。向こうが私をどう思ってるか分からなかったけど、今は痛いほど分かる。京都駅で内緒で訪れた私の姿を確認した赤司君は、人目をはばからず私を抱きしめている。大好きで大好きで、中学校を卒業すると同時に離れてしまったけど、愛は健在のようだ。
「元気か?」
「うん」
「テツヤと同じ高校に行ったのか」
「うん。……ごめんね?」
「いや、いいんだ。ただ、テツヤが羨ましくてな」
体を締め付ける感覚が弱くなる。バスケ部のマネージャーをやってる訳でもなく、赤司君が大会か何かで東京に来た時も会えなかった。これからどうするんだと言う赤司君に悟らせるように、彼の艶やかな唇をそっと撫でた。
×××
春休みを利用して、京都へ行くことにした。部活なんて入ってないから、時間はいくらでもある。終業式のその日に荷物をまとめて家を飛び出し、今に至る。駅で再開を果たした後、赤司君の家にお邪魔して、夕食を食べ、お風呂に入った。お泊まりするのは確実だったし、そのつもりで来ている。断られたらどうしようと思っていたのだが、杞憂だった。
「真結」
名前を呼ばれて振り向くと、キスをされた。軽く一回、二回、三回目は深く。ベッドの端に座っていた私はあっけなく押し倒され、恋人繋ぎの右手から伝わる熱を感じながらキスに応えていた。
初めてじゃない。けど、慣れているもんじゃない。持参した部屋着じゃなくてバスローブを着るように、と言われた理由が分かった。
「あか、し、く」
「真結」
「ん、は、あっ」
いかにも初歩的な、慣れてる人が見たら笑われてしまうような単純な行為だけど、二年越しの愛を繋ぎ留めるには十分すぎるくらいだ。キスで潤った体内を赤司君の愛が満たしていく。ぴりっとした痛みが走る。
「いっ……」
「大丈夫かい?」
「久しぶり……、だから」
「それならいいけど」
「は、んあっ」
ゆるゆると中で動き始める。赤司君の苦しそうなつらそうな表情を見られるのはこういう時だけだから、頑張って堪能しておく。顔をしかめて、口を少し開いて。思わず笑ったら、変な所に当たって悲鳴が漏れた。
「何笑ってるんだ」
「幸せだなぁ、って」
そう言うと赤司君は、私の頭を引き寄せ、舌を口に突っ込んだ。
  ……
背中に何か当たっていると、なんだか安心する。ましてや今なんて、赤司君に後ろから抱きしめられている。もぞもぞと動く赤司君の髪がくすぐったかった。

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