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□花宮が病んでる
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ヤンデレのリクエストが二つ来たので、織り混ぜて一つにまとめてしまいます。「俺以外見んなよ!」の花宮に、ラフプレーで愛情を表してもらいました。少しグロいんではないでしょうか。苦手な方と木吉好きの方は注意です。
×××
怪我をした選手が運ばれていく。花宮のチームと試合をすれば、必ず負傷者が出る。毎度のことだし、「花宮だから」で片付けられるようになってきていた。だけど今回は。
「花宮ぁぁあ!」
会場から一人で出てきた花宮に詰め寄る。ふはっと鼻で笑う花宮の胸ぐらを掴んだ。
「なんでっ……、なんで木吉に怪我させたのよぉぉ!」
「そりゃ、うぜぇからだろ。何言ってんだ」
昔から木吉は膝が悪かった。中学の頃から、ずっと。今日だって、みんなと全国に出るために無理してたはずだ。
「毎回やめてって言ってるじゃないの!なんでそんなに……」
「うるせぇな。俺のやり方に口出すんじゃねぇよ。ぐだぐだ言うならお前が監督やれよ」
絶句するしかなかった私を避けて、花宮はその場を立ち去った。「後でな」という、捨て台詞を残して。
×××
照栄中にいた頃、花宮の噂を聞いたことがある。
「真結、花宮って知ってるか」
「知らないけど……。何で?」
「いや、乱暴なプレーで少し有名になってきているんだが。勝ち進めば大会で当たるしな」
「そうなんだ」
「上手いのになぁ。真結も気を付けろよ」
「やだ、私プレイヤーじゃないよ」
結局その後花宮と試合をすることはなかった。
高校に進学して、前みたいにマネージャーをやりたいと思って、いざバスケ部を覗いたら、花宮がいた。
「麻野か」私が名乗ると、花宮は頷いた後にこう言ったのだ。……、「真結」
「え、あ、何?」
「ボーッとしてんなよ、バァカ」
隣にいる花宮は、大きなあくびを手で隠した。
「木吉のことでも思い出してたか」
「当たり。……今日のさ、今までにない大怪我だよね」
「いいだろ、別に。何で木吉の肩持つわけ?」
「だって木吉は……!」
「元チームメート、だから?」
ぞっとするほど冷たい花宮の視線に、思わず口をつぐんだ。
「だったら元チームメートじゃない四番だったらどうなんだ?これほど心配するか?俺を責めるのか?」
「それ……、は」
「しねぇだろうな。そもそも、木吉じゃなけりゃ心配しないようになった時点で、お前“も”もう狂ってるんだろうが。いずれにせよ、お前の元チームメートほど、気に食わねぇ関係性はねぇからな」
壁に背を付けた私を追い詰めるように、花宮は上から私を見下ろした。部屋の隅の蛙と、それを狙う蛇。
「まあ、お前が俺の考えを否定した時点で、お前とは縁を切るからな」
蛙は蛇の虜になってしまっていたのだ。蛇は蛙が逃げないように、蛙のうなじに噛み痕を付けた。

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