アス×キラ

□いつも天使なキミでいて 〜K side〜
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いつも天使なキミでいて 〜Kira Amethyst side〜





ゆっくりと覚醒していく意識の中で、頬に当たる陽射しを暖かいと思う…。
独りでは無いという、幸福感。





「…ん……」

傍にある温もりに誘われて再び眠りに落ちかけると、優しい吐息がそっ…と瞼に触れた。


「アスラ…ン…?ぉ…はよ……」


まだ上手く回らない舌の筋肉を意識しつつ、自然と閉じようとする重たい瞼を持ち上げる。

柔らかく笑むのは、恋人の翡翠の瞳。


「おはよ、キラ。もうそろそろ起きないと…今日は出掛けるんだろ?」

急かすような色を微塵も感じさせないその口調は、
気持ちをふんわりと包みこむように、心地良く耳に響く。




今日は久し振りに街に行って買物して、ランチして…、恋人らしいデートしようねって2人で決めていたんだ。

このまま寝ていたら、あっという間に昼になってしまう。

「うん…行く…」


身体に残る微かな疲労感を振り切るように起き上がると、僕は大きく伸びをした。

窓から入る強い光は、今日の“お出掛け日和”を物語っている。
あんまりにも今日が楽しみで、昨夜遅くまでなかなか寝付けなかった事…
アスランの事だからとっくに気付いているんだろうなぁ。


「おはよう」


いつものようにアスランの形の良い唇にそっと唇で触れる。
毎日毎日触れているのに、鼓動はまだ……勝手に走り出す。



…いつになったらキスをしてもドキドキしなくなるんだろう…。




離れかけた唇が再び寄せられたその瞬間…、
仰向けに寝ていたアスランの胸の上にちょこんと乗って来たのは、今日も可愛い我が家のアイドル。

「あ、お前もおはよっ、イザ子」


チュッ!


銀色に輝く小さい体をひょいっと持ち上げてキスを贈れば、嬉しそうにその頭を僕の頬にスリ寄せてくる。
大事な人と、可愛い仔猫、今日もそうして素敵な1日が始まった。






月の自由都市コペルニクスのはずれにあるこの家に、
恋人となったアスランと一緒に住むようになってそろそろ2ヵ月。



エレカで5分程の所には母さんの家もあり、もう少し行けば買物に便利な繁華街もある。
喧騒から少し離れてのんびりとしたここでの暮らしは、毎日が夢みたいに楽しくて。


こんなに幸せでいいのかな…なんて、贅沢な不安だよね。




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