ディア×イザ

□比翼の鳥
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プラント宙域


ザフト軍大型戦艦ヴェサリウス。




「――イザーク!待てって…」

プライベートブースからブリッジへ向かう通路では、
銀髪を優雅になびかせる後ろ姿を金髪の青年が必死に追いかけていた。


角を曲がる瞬間、伸ばされた褐色の腕に掴まる。


掴まれた腕をそのままに、
親友であり同僚でもある相手を睨みつけた。

「そんなカオして凄んだって、オレには効かないぜ?」

ディアッカはイザークの手首を捻るようにして引き寄せると、
一方の掌を赤い軍服の襟首に滑り込ませた。

「やっぱり…!イザーク、お前ひどい熱だぞ!」

コーディネーターの身体はナチュラルのそれより頑丈に出来ている。
流行病や重度の疾患にかかることはまずないが、
精神的ストレスに弱いのもまた事実だった。
ミゲルに続いてニコルが逝き、アスランまでMIAになった今…
イザークの精神は極限に追い込まれていた。

「こんなもの、体を動かせばすぐにひく!」

「イザーク!」

なおもブリッジへ向かおうとする身体を後ろから抱き込み、
唇を貪る。

「っ…貴様何をっ…」

「お前が!ゆーこと聞かないからだ!
こんな状態でのこのこ出撃したらソッコーで討たれるのがわからないのか!
結成されたばかりの隊から隊長が消えるなんてオレは許さないからな!」

「…クソッ」

普段は飄々とした体を装いめったな事では声を荒げない親友の剣幕に、
イザークはぶんと腕を振り上げて手首を取り返すと、
不満顔はそのままに私室へと踵を返した。

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