アス×キラ
□いつも天使なキミでいて 〜K side〜
2ページ/6ページ
ラグの上に座ったり寝そべったりしながら軽く朝食を取って、アスランと2人で今日の買物をリストアップする。
オンラインショッピングを使えばその日の内に欲しい物は手に入るけれど、
2人で一緒に出掛けて行って、どっちの桃が甘いかな?とか、どの色のシャツが似合うかな?とか…
そんな事をああでも無いこうでも無いと話すのがまた楽しいんだよね。
「えっと…あとはキャベツでしょ、ひき肉でしょ、それか〜ら…牛乳と…」
頭の中に何通りかの献立を考えながら、食材のメモを取る。
「トマトと玉ねぎは?」
「あ、うんそうだね!それから…あ、イザ子のエサもそろそろ無くなりそうだからそれも」
イザ子はお気に入りのフードしか食べないので、いつも決まったメーカーの物を買い置きしているのだ。
万が一買いそびれでもして、可愛い愛猫を飢えさせる訳にはいかない。
「キラ…オスだったら、何て名前つけるつもりだったんだ?」
アスランはおそるおそる…という面持ちで聞いて来る。
「オスだったら?…イザ夫!」
「キ〜ラぁ〜…もうちょっとこう…何か無いのか?今更言ってもあれだが…いくらなんでも…」
「なんで?可愛いじゃない、イザ子もイザ夫も」
アスランだって、鳥型ペットロボに“トリィ”じゃないか。
そんなキミにネーミングでとやかく言われるのは心外なんだよね。
『日本語では“トリ”って言うらしいから』
そう言って、日系の遺伝子が入ってる僕にちなんで付けてくれたんだけど…、
もしも僕が英系だったら“バーディ”ってなってたかもしれないんだ。
リビングに置かれた観葉植物の枝に止まり、首を傾げているペットロボに、僕は思わず同情的な視線を投げた。
自分の名前を呼ばれたイザ子は、待ってましたとばかりに一声鳴くと、
お気に入りの窓辺から僕の膝の上に移動して丸くなる。
艶やかに輝く銀色の毛並みの感触を指で楽しんでいると、
以前アスランがイザ子の体毛を必死になって掻き分けてた事を思い出す。
ノミでも探してるの?って聞いたら、
“いや、なんでもない”って……。
あ〜れは絶対に……ネジやコードの類が無いか、本気で捜してたんじゃないかと睨んでいる。
元々アスランにさほど懐いていなかったイザ子が、あれ以来アスランに近寄ろうとしなくなったのは
自業自得だと思う…。