BLEACH

□心は偽れない  日番谷→←一護
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俺がこの気持ちに気付いたのは何時頃だったろう?
気付けば、アイツの一挙一動が気になって仕方がなかった。
どうしたんだよ、俺。
まるで女みてぇじゃん。女々しい。




「一護、いい加減自分の気持ちを偽るのはよせ。」



俺の気持ちは夜一さんにはバレバレだったみたいで、俺の精一杯の嘘を簡単に破壊される。
それでも俺は気持ちを打ち明ける勇気を持つ事が出来ない。
そんなに簡単に出来たらこんなにも悩んだりしない。



「何を恐れておる?その気持ちは変えようのない御主の本心であろう?」



本心だよ。でもな、怖いんだよ・・・。



「この気持ちを打ち明けたら、嫌われるかもしれない・・・。それが怖い・・・。」



あの綺麗な瞳が、何ものをも圧倒してしまう瞳が、拒絶の瞳で彩られるのが、怖くて仕方がない。



「・・・怖いとゆう気持ちは判る。じゃがな、その為に自分の心まで殺すことはなかろう。今の御主は破裂寸前のガラス細工のようじゃ。」



それでも、アイツとの関係が壊れてしまうのが怖いんだ。
あの翡翠の瞳が自分に向けられるだけで―――。



「一護!!」




遠くから冬獅朗の己の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
いつの間にか夜一さんの姿が消えていたが、それよりも冬獅朗の表情が気になって仕方がなかった。
焦ったような、思い詰めたような、色々な感情が綯い交ぜになった、そんな表情をしていた。



「・・・どうしたんだ、冬獅朗?」



俺は努めて普段通りに接しようとしたが、先ほどの夜一さんの言葉が頭から離れず、声が少し擦れてしまった。



「そんな、辛そうな顔をするなっ!」



俺は突然のことに思考が追いつかなかった。
怒られたかと思ったら、冬獅朗に抱きしめられていたから。



「えっ・・・?!と、冬獅朗??!」



「・・・すまない。」



突然の冬獅朗の謝罪の言葉に俺は体の動きを止めた。
俺は冬獅朗が謝罪の言葉を言わなければいけないようなことをされただろうか?



「俺がもっと早くこの気持ちを伝えればよかったんだ。そうすればお前にこんな顔をさせずにすんだのに・・・。」



「・・・っ!!」



俺は溢れ出る涙を止められなかった。



「好きだ、一護。」



「・・俺・も・・・っ、好き・・・!」



ああ、夢なら覚めないで。



「一護、笑ってくれ。俺を惹きつけてならないお前の笑顔が見たい。」



何回だって笑うよ。
冬獅朗が側にいてくれるなら、幾らだって笑うよ。
だってもう心を殺さなくてもいいんだ。




―――大好きな貴方に、とびっきりの笑顔を―――




    <END>

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