BLEACH

□溢れる想いを止められない  日番谷×一護
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本当に伝えたかったのは
こんなことじゃないんだ
素直になれない自分の感情に
吐気がするよ、本当―――



好きと言う感情に限りはあるのだろうか?
最近俺の頭の中を、この答えの見えてこない疑問が支配している。
あの人を好きになって、好きだと言われて、恋人同士になって、益々好きになって。
恋人同士になったら、好きって感情はそこまでで終わりだと思ってた。
でも、次から次へと溢れてきて止まらない。



(そういや俺から好きだって言ったことないんだよな・・・。)



あの人に好きだといわれるたびに、嬉しくなって、でも恥ずかしくなって顔を真っ赤にして頷いてばかりだけど、口に出して、声に出して、好きだと告げたことは一度も無い。
言いたくても言えない。あの人が好きだという感情が一気に溢れてきて、好きと言う言葉だけでは止められないのだ。
更に、ぶっきら棒で素直ではない自分の性格が加わって、余計にいえないでいる。



(・・・最悪だな、俺。)



ここまで自己分析が出来ているのに、一歩踏み出すことが出来ないでいる。
卑怯で臆病者の自分。あの人にこんな自分を知られたら、きっとあの人は自分の下から去ってしまう。
それを考えるだけで怖くて怖くてたまらなくなる。

捨てないで、離れていかないで―――。
本当は好きで好きでたまらないの―――。

どうしようもない感情に、俺は涙を流して蹲ることしか出来なかった・・・。
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