童話の森

□赤の女王
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私は赤の女王。
趣味は打ち首。
特に朝イチの処刑が大好き。
なんだかスカッとするのよね。

私には妹がいるの。
白の女王っていって、かわいい目をパチクリさせてるいけ好かない子。
小さい頃からいつもそう。
パパとママはあの子ばっかり可愛がって、私は独りぼっち。
頭の大きな私には見向きもしてくれない。

さみしくて、さみしくて。
私だけが幸せになれる世界がほしくって。

体の一部が大きい者を従わせた。
頭の大きな私を愛してくれる忠実な騎士を手に入れた。
私に刃向かう者はみんな打ち首。
私が気に入らない者もみんな打ち首。
好きなものだけに囲まれて暮らすの。
赤い城、赤いバラ、赤いドレス。
とても素敵だと思わない?

でもね。
どんなに好きなものに囲まれても。
どんなに嫌いな者を打ち首にしても。
私の心はさみしいまま。

ああ、また妹が可愛がられてる。
あの子はいつもニコニコしてて、幸せそう。
私の従者よりずっと素敵で面白そうな人に囲まれて。
私が欲しいものはみんなあの子が手に入れてる。

私の権力まで奪っていった。
あの子はどれだけ私のものを奪えば気が済むの?

憎たらしい。

私はずっと、独りぼっち。

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