神様はじめました

□神様、海へいく
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『もうすぐ夏休みですね』



「ねぇねぇ。夏休み、みんなで海に行かない?」





昼休み、私はあみさんとケイさんと一緒に食事をしていました。





『海ですか…私、行ったことありません…』



「そうなの?じゃあ楽しみだね!」



「っていうか朔羅、昼それだけ?」



『え?あぁ、はい。』



「体調悪いの?」



『あ、いえ。少し食欲がなくて…(苦笑)』





朝、起きた時先日のことは夢だったんじゃないかと思うくらい巴衛が普通で…

やっぱり夢だったんでしょうか…。


そんなことを考えているとなんだか食欲もなくなって…





「食べないとダメだよ?倒れちゃうよ…」





あみさんがそう言って心配してくれました。





「全くだな。朝もろくに食べていないのに昼食まで手付かずとはどういうつもりだ。

断食でもしているつもりか?」





気付けば黒いオーラを出した巴衛が前に立っていました。





『朝はただ…考え事をしていたら時間がなかっただけです…。』



「飯が食えんと言うなら俺が口をこじ開けてでも食わしてやる。」





そう言って肩手は私の頬を支え、肩手は箸でおかずをつまみ口元に持ってきました。





「あまり…心配させるな…」





私に聞こえるくらい小声で言ったその言葉…

その言葉は先日のことを夢じゃないと言っているみたいで…


私は口元にあったおかずをぱく、と食べました。


それを見た巴衛はふ、と笑って呼ばれていた女の子たちの方へ行ってしまいました。





「一緒に海に行って遊ぼ?体を動かせばきっと気分も軽くなるよ!」



『行きたいです、海…!』



「じゃあ土曜日ねっ」



「いいけどあんたたち水着持ってるの?」



『あ、私持ってません…。』







その様子を見ていた巴衛は目を細め、顔をしかめていた。






















そして土曜日…――





『行っちゃ駄目ってどういうことですか?』



「とにかく海はダメだ!」



『だから、何でですか?せっかくあみさんが誘ってくれたんですよ?横暴です…!』





海へ行く準備をしていると巴衛がやってきていきなり海には行くなと言いだして
それから私達はこんな感じで口論をしていました。





「落ち着かれませ、朔羅様!」



「お前も知っているはずだろう?

海は魔物の巣窟だ。人ならいざ知らず土地神のお前を1人で何かあったらどうする?


それに、俺は海には入れない。だからダメだ」



『友達がいます。1人じゃありません。』



「友達?そいつらが何の役に立つ?」



「じゃあ僕がついてってあげようか?海」



『あ、瑞希さん…』



「(怒)」





瑞希さんの方へ振り返った巴衛の表情はとても怖かったです…。






















そんなこんなでやってきました!海です!





『海ですー!』



「海ー!」



「海ですーはともかく、なんでこいつらついてきてんのよ?」





ケイさんが指したのは話しあいの結果同行することになった巴衛と瑞希さんでした。





『あぅ…それはその…すみません…』



「う…っ朔羅は悪くないけど…

男連れだとナンパが寄ってこねぇだろうが。空気読んで来いよ。」





そう言って巴衛に詰め寄るケイさん。





「難破?」





勘違いしている巴衛;

何処かイライラしているケイさんはつい先日彼氏さんと別れてしまったらしいです。





「準備出来たよぉ!」





うきわを持ち元気にそう言ったあみさん。





「あんた小学生みたい」



「だってあみ、泳げないんだもん!」



「朔羅はどう?その水着」



『凄く可愛いです…//

貸してくれてありがとうございます、ケイさん』



「いいっていいって。持ってるものは活かさないとね?」



『?』



「相変わらず鈍感だね…

それより連れの2人に見せてきたら?」



『え…』



「にしてもあの2人…全く泳ぐ気無いって感じだね;」





ケイさんの言葉にパラソルの下にいる巴衛と瑞希さんの方を向くと
巴衛がその視線に気付いたのか顔に乗せていた本を持ちあげ此方を見てきました。





「?」



『っ!///

海に入りましょう?』



「いいの?」



『い、いいんですっ///』



「ふはっ朔羅は可愛いね。」



『そんなことありませんっ!』





私はなんだか恥ずかしくなって
逃げるように海に向かうとケイさんもからかうように私を追いかけて海に向かいました。





「朔羅ちゃん、こっちこっち〜!」





私…変じゃないですよね…――?


















 










 
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