神様はじめました

□神様、合コンにいく
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「キャー!お久しぶりのご登校よ!」



「鞍馬様と巴衛君!」



「相変わらずなんて麗しいのかしら!」



「鞍馬さまは昨日海外ロケからお帰りになったばかりよ!」



「巴衛君は体調不良で入院なさってたんですって!」



「体が弱くてらっしゃるのね!」



「そこはかとなく漂う病的オーラがくせになりそう!」



「入院中、姫神さんがつきっきりで見舞いに来てたっていう噂もあるのよ!」



「キャー!」





久しぶりの巴衛と鞍馬君の登校にクラスの女子はとても盛り上がってました。





「ねぇねぇ、そこの彼氏いないふたり〜」





ドアの近くにいる巴達を眺めているとケイさんが話しかけてきました。





「今週末、合コンすることに決まったよ。

あみと朔羅、頭数にいれといたからふたりともばっちり準備しといてよね!」





合コン…?

合コンって、あの…?






「『合コン!?』」



『いきなりどうしたんですか?』



「あみ、聞いてない!」



「仕方ないじゃん。女子の数、足りないんだから。」



『嫌ですよ、合コンなんて…』



「あんた達だってクリスマスまでに彼氏作っておきたいだろ?」



『私は別に…』



「私は作っときたいんだよ。」





巴衛がいますし、という言葉は音にならず、ケイさんに凄い形相で遮られてしまいました。





『は、はい…』





実はまだふたりに巴衛と付き合い始めたということは言っていないんです…

なんか申し訳ないです…。





「じゃあ土曜、2時からね。」





どうしましょう…
合コンなんて行ったことありませんし…。


そもそもこんな私が行くような所じゃありませんし…。


















それに私には巴衛が、





「どうした、朔羅。先程話しこんでいたようだが?」





大切な人がいるんですもの…。





『な、何でもないです…。』



「嘘をつくな!さっきごうなんとかに行くとか言っていたではないか!」



『いたたたっ

なんれもないれふっ』





巴衛に頬を引っ張られて私はその手を払いました。





『遊ぶ約束をしただけです、家に帰りましょう。』





巴衛には黙っていましょう。

いらない誤解をうまないためにも…
私が好きなのは巴衛だけなんですから。




















「随分拒否られたなぁ、狐。
人間の扱いは大変だって言っただろう?

特に朔羅くらいの年頃は。」



「朔羅はなんでもないと言っていたぞ。」



「相変わらず余裕だな。

朔羅が本当に何処にも行かないと思ってる?」





巴衛はその言葉にいらついたのか鞍馬にむかって狐火を放った。





「ギャー!何すんだ、馬鹿!」



「……」





≪巴衛。街に行ってくるよ、巴衛。≫


























そして土曜日…――





「初めましてぇ!宇治上高校女子でーす!」



「俺、山田」



「佐藤」



「田中!」



「小比類巻です、よろしくね。てへ」





そう言って小比類さんは舌を出しました。

癖なんでしょうか…





「みんな10代?わけぇ!」



「可愛い!」



「モテるでしょ?学校で」



「そんなことないですよぉ!」



「で、もうみんな彼氏とかいるの?」



「「「『……』」」」



「馬鹿!いきなり聞いてんじゃねぇよ!」



「いたらこねぇよ!」



「居ても言いにくいだろ!」



「なんで?俺彼女居るけど来ちゃったよ?てへ」





その様子にケイさんはいらいらし始めちゃいました…。





『と、取り敢えず飲み物注文しませんか?』





私がそう言うとみなさんが飲み物を選び出しました。












『美味しいです、これ』



「だろ?ここ、食べ物も結構イケてるんだ!」



『私、こういうお店初めてなので…』



「朔羅ちゃん、着物着てるからそんな感じするなぁ」



『はい、私は洋服より和服の方が好きなので…』



「いいねぇ、和服女子!」



『本当ですか?ありがとうございます(微笑)』



「「「「////」」」」



「この子、なかなか彼氏作らないから連れて来たんだよねぇ」



『すみません、私彼氏います…。』



「「「「「えええぇぇ!?」」」」」



「まさか巴衛君!?」



『はい//』





私が言うと男性陣は肩をがっくりと落とさせました。

疲れたんでしょうか…?





「キャー!あみのバックの中に蛇がいるぅ!」





あみさんがケイさんに泣きつき、そう言いました。

その蛇見覚えのある白蛇で…





『ち、ちょっと失礼しますね;』



「「「「「?」」」」」





私はその白蛇を腕に巻きつけ退室しました。










そして部屋から離れ、女子トイレに入りました。





『瑞希さん、どうして此処にいるんですか?』



「だって朔羅ちゃん、僕の知らない世界で
楽しそうにしてるから僕も混じりたかったんだもん。」



『ひとりで来たんですか?』



「ううん」





まさか…!

すると後ろから腕が伸びて来て瑞希さんを捕まえました。





「すまんすまん、目を離した隙に可愛い瑞希が邪魔をしてしまったようだ。」



『と、巴衛…どうしてここに…』



「お前の様子がおかしかったから心配で見に来たのだ。」





みられてたんですね…





「しかし、杞憂だったようだ…

心配せずとも俺達は退散するから羽を伸ばして来い。」





巴衛は…私が他の男の子と仲良くしていても何も思わないんですか…?

私はもし巴衛が他の女の子と仲良くしているのを見たら…
いえ、それを想像するだけでも胸が引き裂かれるほど痛いです…。


やっぱり…覚えていなくとも頭のどこかで桜月さんを想っているんでしょうか…

私より、きっと桜月さんのことが…





私がトイレから出るとそこにはもう巴衛の姿はなくて…
私はトイレの前でしゃがみこみました。


馬鹿です、私…1人で舞い上がって…取り繕って…





「朔羅ちゃん、どうしたの?」





そこに小比類さんが来てトイレの前でしゃがんでいる私に声をかけました。





『何でもないです…』





馬鹿みたい…――



























 

 
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