神様はじめました

□神様になる
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『う〜ん…どうしましょう…(苦笑)』





本日二度目のその台詞…
それくらいに入りづらい雰囲気が漂っています。

なかなか入れず、困り果てていると何処からか声が響きました。





「ミカゲ様!」



「お帰りなさいませ、ミカゲ様。」



『…?』





ミカゲさん、ではないんですけどね…(苦笑)

私が内心苦笑いしていると帰り道をふさぐように赤い炎が燃え上がった





「「ミカゲ様」」





いきなり炎があがり驚き、数歩下がると何かに躓いてしまって建物の中に入ってしまいました。





『きゃあ…っ!

いたた…』



「ミカゲか…?」





尻を強く打ち立ち上がれないでいると男性に声をかけられました。





『ふぇ…?(涙目)』



「今まで…何処に行ってたんだ?

20年間も俺に留守番をさせやがって…


ぶち殺す!!」



『ひゃ…っ!』





彼は此方に振り返り、私がミカゲさんじゃないと
気付いていないようで、爪をたてて襲ってきました。

私は怖くなり、ぎゅっと堅く目を閉じても襲ってくるはずの痛みはなく、
恐る恐る目を開けると目の前の彼と目が合いました。





『…?(涙目)』


(↑尻を打ったのと巴衛に襲われかけた恐怖とで涙が溜まり、

身長差で自然と上目づかいに)



「…っ////」(フイッ





彼は顔をそむけ、扇子で口元を隠しました。





「おい、こいつはミカゲではないぞ。」





彼がいうとお面を被った妖?が2人、現れました。





「そんなはずは…」



「巴衛殿、この通り額には土地神の印がばっちり御座います」



「それにミカゲ様の神気を感じますが…」



「だが、こいつは違う。

おい、女。…お前、何者だ?」





3人の視線が私に向いた。

何処から説明すればいいのでしょう…?


迷った結果、ミカゲさんに会った所から説明をしました。

その間、3人はしっかりと私の話を聞いてくれました。



…いい人たちなのかもしれませんね、ふふ…(微笑)















大体説明が終わり、ミカゲさんに貰ったメモを渡しました。





「巴衛殿!」



「ふむ…確かにこのアホ字はミカゲの字だ」



『私は姫神朔羅と申します。

先程ミカゲさんにお会いして、行く所がないならここに住むようにと…。


そのメモを渡されて来たんです。』





この方が巴衛さん…

ミカゲさんの奥様だと思ってたんですが違かったみたいですね


とても綺麗な方ですね…

私は巴衛さんの綺麗な顔立ちに思わず見惚れてしまいました。





「お前が会ったその男はこの土地の土地神だ」



『はい。それは存じております。』



「なら話ははやい。

その主の座を譲られたということは
お前は土地神の位を譲られたということだ」





ミカゲさんが“元”だと自分で言っていたので、まさかとは思っていましたが…
まさか本当に譲られていたとは思いませんでした…。





「いやあ、めでたい!」



「社に土地神様が戻ってきて下さった!」



「早速宴会の用意を!」



「お召し上がりくださいませ、土地神様!」



「「ささっ!」」



『ちょっとお待ちください!

土地神の印とはなんですか…?』





土地神の印については何も説明されていなかったので、
社の精という鬼切くん、虎徹くんが盛り上がっている所を止めて説明をしてもらいました。





「「それは」」



「土地神様の額にある印でございます」



『印…額…?

あ、まさか…あの時の…?』




「こいつが土地神だと…?

こんなか細い女に何が出来る。」






と巴衛さんにクイ、と顔を持ちあげられ、顔を近づけられました





か、顔…っ

ちかっ近いです…っ////





「せいぜい賽銭の勘定か草むしりがいいところだろう?

願い下げだ!」



「しかしこのお方は!」



「ミカゲ様のご推薦!」



「いらん!つまみだせ!」





う〜ん…

迷惑はかけられませんし…





「その女をここに置くなら俺がこの社を出て行く」



「「巴衛殿!」」



「俺はミカゲの神使だ、その女に使える気はない。

俺の後釜は野良犬にでも頼んでおけ。」





巴衛さんはそう言って何処かに行こうとするので慌てて止めました。





『いえ、その必要はありません』



「…何?」



『私がここから出て行きますから…。
この印も今からミカゲさんを探して返してきます。

夜分遅くにすみませんでした、失礼します』





私はそう言って頭を下げ、外につながる扉に向かうと…





パシ…――





巴衛さんに手を掴まれました





「…何処に行く」



『行く所はありませんがなんとかなりますし…』




「…外は何があるかわからん。

…ここで寝ればいい」



『でも…迷惑でしょうし…』



「俺がここで寝ていいと言ったのだ。

迷惑も何もあるか」



『…ではお言葉に甘えて…

お邪魔いたします』



「ふん…」





巴衛さんはそう言って部屋から出て行ってしまわれました。


私は巴衛さんのお言葉に甘えて、ここで寝かせてもらいました。


 





















 
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