神様はじめました

□神様、縁をむすぶ
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夜が明け、朝になり朝餉の用意するために台所に行くとそこには既に巴衛の姿が…





『あの、巴衛…』



「皇女の話なら聞かんぞ。」





私の考えていたことが分かったのか巴衛にそう言われました。





「俺が後日詫びを入れておく。あの件にお前は関わるな。

人と妖怪など所詮結ばれるものではない。


第一お前に何が出来る?」



『確かに私にはなんの力もありませんが
私に何かできる事があれば何でもするつもりです。』



「お前に出来ることなど何もない。」



『――…!

…もういいです、ひとりで行ってきますから。』



「何処に行くのだ。」



『街に行くんです。

皇女様の言っていた小太郎という人を探してみます。』



「――…!」





≪街に行ってくるよ、巴衛。

私が戻ってくるまでちゃんと留守番していなさいね。≫





「――…待て!俺も行こう…」





『?いいですけど…

ちゃんと着替えて耳としっぽも隠して下さいね。』



「あ、あぁ…

(ミカゲのように朔羅も帰らなくなるのでは
ないかなどとちらっとでも思ってしまうとは…)」



















そして私達は街に来ました。





『街は久しぶりです。巴衛もですか?』



「まぁな。」



「美男美女カップル〜!」



「お似合いね〜」



「女の人、めっちゃスタイルいい!」



「うらやましいぃ!」



「和風カップルかぁ!」





と周りに人だかり出来てなかなか前に進めなくなってしまいました。

…有名人でも来てるんでしょうか?





「…朔羅、むこうに行くぞ。」



『え、?あ、はい』





そう行って連れられて人だかりを抜けたのですが
近くにある店のウィンドウ前には宇治上高校の制服を着た女の子がいました。

…今日は平日でした…;


思わず巴衛の後ろに隠れると巴衛が振り返りました。



「どうした?」



『え、と…学校の人が…』



「そんなの放っておけば良い。」



『巴衛、前学校に来たことがあるでしょう?

それで女の子たちが巴衛に興味があるらしくて…』



「ふむ…良く分からないが…

では、むこうの店に入ってみるか?」



『いいですね、入りましょう。』





私がそう返事をすると巴衛が私の手を取って歩き出しました。

は、恥ずかしいです…//






















そうして近くにあったお店に入ってアイスを頼みました。





『美味しいです(微笑)』



「////…朔羅、入ったはいいが忘れるなよ?

ここには小太郎を探しに来たのだ。」



『分かってますよ(苦笑)

これを食べたら外に出てしっかり探します。』





私と巴衛が話していると聞き覚えのある声がしました。





「あれぇ?姫神さんじゃん?なにしてんすかぁ?」



『い、磯辺君!?』





そう、同じクラスの磯辺君でした…;





「最近学校来てないけど体調でも悪いんすかぁ?


彼氏っすかぁ?

姫神さんのそう言う話聞いたことなかったからめっちゃショックだわぁ」



『え、と…巴衛は…;』





「つかこないだのなんすかぁ?」





磯辺君が耳元でそう聞いてきました。





「いやぁ、さすが姫神さんだわぁ!


やっぱいいとこのお嬢様なんスかぁ?

つか姫神さんの家って何処なんスかぁ?」






と色々聞いて来る磯辺君に対応できなくなっていると
巴衛に腕を引かれて椅子から立ちあがらせられました。





「出るぞ。」





巴衛はそれだけ行って店から出ようとしました。





「は?何それ、ちょ、ま…」



「気安く触るな、クソガキ…」



「ひぃぃいっ!」





巴衛は鋭い爪を磯辺君の額に向けました。

巴衛、何か怒ってませんか…?





『巴衛、やめてくださいっ!』





私がそう言うと巴衛は磯辺君に向けていた手をおろしました。

…また縛ってしまいました……。



「……」





『大丈夫ですか?磯辺君…』





私が磯辺君の方を見ると磯辺君は恐怖で固まってしまったらしく…





「お、お客様…」





お店の店員さんに支えられていました。;





『巴衛、相手は人間です。手をあげないでください。』



「お前に触ろうとしていたから守ってやったのではないか。」



『磯辺君は害のある人ではありません。』



「もとはといえばお前が学校の奴らがいると言うからここに来たのであって
お前にアイスを御馳走するために街まで来たのではない!

浦島小太郎を探しに来たのだ!」



『わかってますよ。

でも磯辺君に手をあげる理由にはなりません。


それに私って浦島君を探しに来てます。』





「あの…僕に何か…?」





私達が軽く口論していると傍にいた店員さんが声をかけてきました。






「僕が浦島小太郎です…。」





…彼が浦島小太郎君らしいです。





























  
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