神様はじめました

□神様、縁をむすぶ
4ページ/5ページ


縁を司る神の導きかもしれませんね、ふふ…





『お待たせしました、小太郎君。

急に呼び出してすみません。


それからお店で騒いですみませんでした…。』



「ああっ、いえ…っ気にしないでくださいっ!僕は別に…

それより、僕に話って…?」



『10年前、伊佐良沼であった人のこと覚えていませんか?』



「10年前…

す、すみませんっ僕、何も思い出せなくて…


せっかく声かけてもらったのに…」





小太郎君はいじっていたパズルキューブを
今までより早くいじると膝を抱えてしまいました。





『気にしないでください。

それ…パズルキューブですよね?』



「え、えぇ…

僕は取り柄のない人間ですけど昔からこれだけは得意で…。


これをさわってると…お、落ち着くって言うか…」





そう言って小太郎君はパズルキューブを見せてくれました。





『へぇ…そうなんですね…

私も昔から取り柄がないんですよね…(苦笑)』



「え…?」



『何をしても中途半端で…

でも、今は1つ…1つだけですけどやり遂げたいと思ってることがあるんです(微笑)』



「そうなんですか…」





と、話がそれてしまいました。

本題に入らないと…





『あの、実は私の友達が小太郎君に片思いしていて…

沼皇女っていうですけど1度、彼女に会ってくれませんか?』



「――……・・」


























「さすが朔羅様でございます!」



「小太郎殿に約束を取り付けられたのですね?」





私が公園から出るとそこには鬼切君と虎徹君がいました。




『鬼切君、虎徹君…』



「巴衛殿に言われて朔羅様の護衛に。」



『巴衛は…?』



「車を取りに行かれました。」



『くるま…?』





すると目の前には大きな乗り物?が現れました。

その中には巴衛もいました。





「小太郎との話は済んだようだな、社に帰るぞ。」



『あの、これは…?』



「ミカゲの愛車、夜切車だ。

闇をぬって走るため夜しか動かんがな。」





私が聞くと巴衛がこの車について説明してくれました。

鬼切君と虎徹君も中に入ったのはいいんですが…



…困りました。

高くて登れません…;





『巴衛…』



「どうした…?」



『高くて登れません…』



「ふっ…本当に、可愛い奴…」



『?』





巴衛は親切に手を引いて登らせてくれました。


あ、そうでした。

巴衛に頼みたいことがあるんでした。





『巴衛、皇女様のことで頼みたいことがあるんですけどいいですか?』



「なんだ?」





















「皇女様は何処にいらっしゃるんだ!?」



「騒がしいな。」



「土地神に呼び出されてからいまだに帰られていない!

皇女様を何処にやった狐…!」





朝、なかなか戻らない皇女様に側近さんが社にきて巴衛に問い詰めていました。





「騒がしいぞ、青竹。」





そこにそれを止める声が…
その声とはもちろん皇女様です。

ですが皇女様を見た側近さんは顔を青くさせました。





『ふふ、お待たせしました。』



「ひ、皇女様ー!?」



『私の制服を着せてみたんですけどどうでしょう?

似会ってますよね?』





小太郎君と会う前に皇女様を呼び、妖だとばれないように
巴衛に頼んで人間の姿にしてもらったのはいいのですが
服がなく、私の制服を着せてみたんです。





「真に似合うておるか?」



「うむ。これなら妖と気取られまい。」



「これで小太郎に会えるのじゃな?」



皇女様はそう嬉しそうに言いました。

ふふ、可愛いですね…。



「だが、気をつけられよ。
私の変化の術も人の姿を保つのは難しい。

決して妖術は使わぬこと。
力を使えば妖の姿に戻ってしまう。」





そう巴衛が皇女様の頬に手を添えました。

その姿を見て私の胸がツキりと痛んだのは…きっと気のせいです…。





「ガチ」←返事





皇女様が歯と歯を合わせ音を鳴らしました。

それを見た巴衛は少し呆れていました。(苦笑)





「それも止めること(汗)」



『じゃあ皇女様、行きましょうか。

小太郎君が待ってますよ(微笑)』



「朔羅殿…」



『どうされました?』



「ありがとう…」



『――…!ふふ…』





















 







 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ