神様はじめました

□神様、縁をむすぶ
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そして夕方5時…

皇女様と小太郎君の10年ぶりの逢瀬…――






『10年ぶりの再会ですか…。』



「人と妖など仮初の逢瀬だがな。」





巴衛のその言葉にまたツキリ、と胸が痛んだ。

私…もしかして…――





『そんなこと言わないでください。

今日くらいは…
2人の途切れた縁がやっと結ばれた日なんですから。』





「朔羅…、」



『なんでしょう?』



「もし俺が…いや、なんでもない」



『?』



「朔羅、皇女が面倒なことになっている」



(もし俺がお前のことを好きだと言ったらお前は何と言う…?

俺を遠ざけるか…?ミカゲみたいに俺から離れていくのか…?)





巴衛に言われて皇女様たちが座っていたベンチを見てみました。


すると…





「よぉよぉよぉ、ねぇちゃん!

キミかわうぃーねぇ!」



「暇そうじゃあん?ひまひましてる?」



「俺とご飯食べにいかねぇ?おごるからよぉ!

こんなんやってねぇでさぁ」




――…とガラの悪い人たちに絡まれてました(オロオロ…


ガラの悪い人たちは皇女様が持っていたパズルキューブを奪いました。

その少し離れた所には飲み物を持った小太郎君が…。





「前に進むのは人間自身ではならなくてはならん。

前に進もうとする気持ちがあれば小さな力でも動ける。


お前に出来ることはその背中を押してやることだ。」





巴衛が戸惑っていた私にそう言いました。

背中を押す…?









私の考えた結果…――



ガラの悪い男たちに絡まれていた皇女様の前には
皇女様を守ろうと頑張っている小太郎君の姿が…。





「お前、まんま背中を押すはないではないか…
なんとストレートな奴。」



(だが…2人は前に進めたようだな…)






近くの木に小太郎、と書いた白札を貼り、その気をトン、と押したんです。

私にはこれしか思い浮かばなかったんですもん…。;





もっと強く結んでこの縁がどうか途切れる事がありませんように…――























 





 
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