神様はじめました

□神様、海へいく
2ページ/4ページ


その頃、瑞希と巴衛は…――





「何で来たのさ?巴衛君…」



「こっちのセリフだ、死ね」



「今の子って破廉恥だねぇ。あんな裸同然の格好でうろうろしてさぁ。

あれじゃ人間の男だって妖怪化しちゃうよねぇ。


…巴衛君、来て良かったって思ってるでしょ?

でもまさか本当に来るとは思わなかったなぁ…


僕、巴衛君がどうして海に入れないか知ってるよ?」



「っ!」





瑞希の言葉に驚き、目を見開く巴衛。





「巴衛君のこと大嫌いだけど朔羅ちゃんには言わないであげるよ…。」





瑞希は目を細め何かを含むような微笑みを見せた。





「……」



「まあ、あの子なら巴衛君のことだったら何でも受け入れちゃうと思うけどね、クス…」



「…、……」



「朔羅ちゃーん!僕もそっち行っていい?」





先程のことが嘘かと思うくらいにがらっと雰囲気が変わる瑞希。






『はい、勿論です(微笑)』





結んでいた髪をおろし、綺麗に微笑んで返事をした朔羅。





「…!」





その姿に見とれる巴衛。





『見てください、綺麗な貝を見つけたんです(微笑)』





朔羅は巴衛に駆け寄り手にある貝を見せた。





「あ、あぁ…」



『?』



「行こう!朔羅ちゃん。

巴衛君は海が嫌いなんだってさあ」





何時の間に着替えたのか瑞希がそう言って朔羅の肩に手を乗せた。

それを見て目を細めた巴衛。


瑞希は朔羅の肩を抱いて海の方へと向かっていった。





――俺のものに気安く触りやがって…あのクソ蛇野郎…


















「海、楽しい?」



『はい、とても気持ちいいです(微笑)』



「朔羅ちゃん、元気になって良かったね。

ずっと何か悩んでたみたいだから」





あみさんはそう微笑んでそう言って、泳いで行ってしまいました。


でも、少し目を放したらそこにはあみさんの姿はなく、
ただうきわだけがそこに浮かんでいました…



















「やっぱ海水は気持ち悪いや。一抜けた!

あれぇ?巴衛君どうしたのぉ?元から怖い顔が更に怖い顔だけど」





そう言う瑞希の視線の先にはしっぽをぱたぱたとさせ、イラつかせている巴衛の姿が。





「巴衛!あみと朔羅が――!」





ケイが走ってきてそう言った。

















「大丈夫か、朔羅!」



『巴衛、あみさんが…!あみさんがいなくなったんですっ!

潜って探したんですけど見つからないんですっ


あみさん、泳げないのに…!



お願いです、巴衛…っあみさんを…っ』





私がそういうと巴衛にぎゅ、と抱きしめられました。





「心配するな。俺に任せろ。お前はここにいろ、な?」



『ですが、巴衛は…』



「気にするな。」





巴衛はそう行って私から離れて海へ足を入れました。





「いいの?巴衛君」



「ほかならぬ朔羅の頼みとならば仕方あるまい。」





そう言った瞬間、巴衛の姿はありませんでした。





しばらくするとあみさんを抱えた巴衛が海から上がってきました。





『あみさん…!』



「あみ!」



『あみさん、大丈夫ですか…?』



「こほっ…大丈夫…、お水一杯飲んじゃった…」



「もう馬鹿あみ!本当に心配掛けて…!」



「、ごめん…」



『良かったです…ありがとう、巴衛…』





私はあみさんが助かった安心と嬉しさで思わず巴衛に抱きついてしまいました。





「っ!//」



「ありがとう、巴衛。」



「!」



「海に入ってきてくれてありがとう。

御蔭でやっとお前を見つける事が出来たよ…」



























 

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ