神様はじめました
□神様、合コンにいく
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小比類さんが気を使って外に連れ出してくれました。
『本当に何もないですから…』
「彼氏とケンカしたの?」
『まあ…そんな感じですかね…』
「そっか…しばらく此処で夜風にあったてよ。」
小比類さんはそう言って舌を出しました。
『ありがとうございます。
上着借りてしまってすみません…。』
「あは、気にしないで。」
『小比類さんって優しい方なんですね。
最初は少し警戒してしまいましたけど…』
「えー?酷いなぁ…
…俺は最初から朔羅ちゃんのこと可愛いって思ってたのに。」
小比類さんが耳元でそう言いました。
って、え…!?
今度は手を取ってきて…
「手、柔らかいね。握ってても…」
その時、小比類さんが飛んで行きました。
「なんだてめぇ!」
「すまんすまん、可愛い瑞希が邪魔をしてしまったらしい。」
後ろには巴衛が居て…
その手にはぎゅぅっと握りしめられている瑞希さんが…;
巴衛の顔はとても怒っているように見えました。
「俺の女に手を出したんだ。それなりの覚悟はできてるんだろうなぁ?」
「じゃ、じゃあ俺先に戻ってるからぁ!」
小比類さんはそう言って走って行きました。
今巴衛とふたりきりになるのはとても気まずいのに…
『……退散したんじゃなかったんですか…?』
これでは本当に私が男性といちゃついてたみたいです…
「羽を伸ばせとは言ったがあんな小魚と乳繰り合っていいとは言ってない。」
『ち…っ!?そんなんじゃありません!今のは別に…っ!』
振り向き巴衛の顔を見ると、何処か儚げで…
≪朔羅が本当に何処にも行かないと思ってる?≫
巴衛に腕を取られ、強い力で引かれました。
「帰るぞ。」
『ちょ、ちょっと待って下さい。みんなを置いて急に帰れません。』
「連中には先に帰ると伝えておいた。」
『え…?』
「傍の公園に車を止めてある。
今日は休日、バスが終わるのも早かろう。」
巴衛に引かれる腕が痛いです…!
握る強さが強く、振りほどけません…
巴衛、もしかして…
『イライラしてるんですか…?』
「っ!」
私が言うと巴衛がピタッと歩くのをやめました。
強く握っていた手も話してくれました。
『やっぱりそうなんですね…。
私が男性と居たからイライラしてたんでしょう…?
ふふ…巴衛に何も思われてないと思ってましたからとても今嬉しいです。
ですがやっぱりみんなに何も言わずに帰れません。
借りた上着も返さないといけませんし、巴衛は先に…』
「お前の言うとおりだ。イライラしているよ、俺は。
大人げなく…皆が思っているほど俺は…
余裕のある男ではないらしい…。
いつ、お前が…俺から離れていくのかと考えると…」
『離れませんよ、私は。
巴衛が望まない限り、私は巴衛とずっと一緒にいます。』
私は巴衛の言葉を遮り巴衛に抱きつきました。
巴衛はいきなり抱きついてきた私を受け止めて抱きしめてくれました。
耳元で巴衛が笑ったような気がしました。
「では、ずっと一緒だな。
俺はお前を放す気などない。お前が嫌と言っても放してやらん。
覚悟しておくんだな。」
巴衛はそう言って顔を近づけてきました。
私はそれに応えようと目を閉じようとしましたが
すぐ隣に瑞希さんがいる事に気付き思わず巴衛の口に手を当てました。
すると巴衛も瑞希さんに気付いたのか瑞希さんに掴みかかりました
「お前何時からそこにいたのだ!」
「何時からも何もさっきからずっと。」
巴衛、大好きです…――
その頃、朔羅のいた部屋では鞍馬のオンステージだったとかなんとか…――