神様はじめました

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『社が…!』





巴衛に抱きあげられていた私は部屋へと連れていかれて布団へ寝かせられました。





「寝ていろ。後は俺達がなんとかする。」



『土地の瘴気を祓うのは土地神の仕事です…!

私がやらなきゃ…っ!』



「お前はいい。此処を動くな。」





巴衛はそう強く言って襖を閉めて行ってしまいました。


私は…土地神としての仕事を何も出来ませんでした…。

何時も巴衛に助けてもらってばかりで…


それなのに私は巴衛のために何も出来ていません…。





≪お前はいい。≫





私…何も出来ていません…。なにも…



私は必要とされてない…――















「朔羅!?」





外にいた巴衛が何か嫌な予感がして
先程朔羅を連れていった部屋に行ったがそこには誰もいなかった。





「朔羅…?」










その頃、朔羅は走って階段を下りていた。
目には涙を流しながら…










「朔羅?」





「朔羅!?」







≪街へ行ってくるよ、巴衛。≫







その時、巴衛の頭には20年前、この社を出て行った時のミカゲの姿と
自分に微笑みかけてくれた#朔羅の顔がよぎった。







「何処へ行った…?朔羅――!!」







その時、何処かで何かが破れる音が響いた…――

























 


 
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