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□君のとなりで息をすること
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………どれくらぃ、廃部という文字から視線をそらしていたのか。
気がつけば、そうとう時間がたったらしい。
みかこ「……顧問に、理由…聞かなきゃ……」
ふらふらと歩き出す。階段へと続く角をまがった、その時。
どんっ
?「ぅわっごめん!大丈夫?…あっ……」
聞き慣れた声。
忘れたかった声。
大嫌いで、大好きな声。
みかこ「…こちらこそ、不注意でした。すみませんでした、こう……菅原先輩。」
突然の再開にしては、落ち着いていたと思う。
菅原先輩は、私が名前を呼びかけて、苗字で呼び直したせいか、心なし切なそうな顔をしている。
気まずい空気が流れた。
みかこ「…それじゃぁ、ぇと、失礼します」
早足で菅原先輩を通り過ぎようとした。が、
菅「待てよ!……ぃゃ…その、いま時間、ある…?」
菅原先輩に腕を掴まれ、ましてやそんなことを言われ、私はどうすればいいのだろう……。