DRR1303

□Merry X'mas
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暑いとも寒いとも言い難い秋が過ぎ
もう冬の真っ只中、街はイルミネーションに彩られ恋人同士が行き交いクリスマスというものに浮かれている

俺はそんなものとは無縁なうちの1人である。いや、無縁なものにさせられてしまったと言うのが正解だ。

「あぁー、くそさみいい…なんで杏里や帝人たちと楽しいクリスマスになる予定だったものがこんな!こんな買い物に追われるなんて!」

ついてないー、とでも言うべきなんだろうか。あの時アイツからの電話をとらなければこんな事には。

電話の相手は容易に想像できるであろう、俺が最も苦手で嫌いとする折原臨也だ。

ー時は数時間前に遡る
学校から帰るときだった

今日は平日で学校が終わったら帝人の家で杏里と共にクリスマスパーティーの予定だった。

けど、学校が終わったらタイミング良く携帯が震えだした。

「何なんだよ…アイツ」

話だけ聞いてやろうと思い渋々と通話ボタンを押す

「やあ、やっと出てくれたね」

「何の用ですか、俺はあなたに用はありません。」

「つれないねえ、けど俺は君に用があるのさ。」

「…」

うざいと心底悪態を吐きながら取り合えずややこしくならないよう黙る

「学校終わったよね、悪いんだけどこれから言うもの買ってきてくれる?お金は返すから」

「はい?あのですね、俺はアンタと違って今日予定が…「無いでしょ、来なかったら…どうしようかなあ」

俺の声と被せられ、しかも声色が変わった。これは身の危険を感じる

「…買い物だけで良いんですね」

「ありがとう、もの分かりの良い子は大好きさ。じゃあ悪いんだけど……」


で、現在に至る訳である
そして帝人に少し遅れるとメールを送り買い物に向かっている。

頼まれたものはなぜか謎のもの
ケーキ。

臨也さん甘いもの好きだったっけ?クリスマス気分でも浸るのか?と考えながらもどうでもいいや、という結論に辿り着き諦めた

目的のお店に着くと値頃なワンホールのショートケーキを買った。そして店を出て、早く渡して帰ろうと考えながら臨也の住むマンションへ辿り着きインターホンを押す。数分もしない内に鍵が開けられドアが開けられる

「ご苦労様、上がって?」

「いや、俺は渡してこのまま…」

「良いじゃないか。おいで?」

「ちょっ、ま…!」

俺の意見と抵抗なんて聞かれず、手首を掴まれ部屋に上がらされソファーに座らされコーヒーを出され、先程買ったケーキを出される。

「あの!俺これから友達と用事があるんですけど、帰らせてください!」

「知ってるよ。だから呼んだの」

ピキリと俺の何かがキレた。

相手の発言に苛立ちもう帰ってやろうとソファーから立ち上がる。しかし立ち上がった体は両肩を手で掴まれあっというまに臨也に組み敷かれる。

視線が交差し心臓が跳ね頬が紅潮するのが分かった。臨也は実際眉目秀麗で誰もが認めるかっこよさだ。照れない人なんて居ないと思ってる

「ッ…退いて、下さい」

「嫌だね。予定がある君を呼んだ意味 は分かるでしょ?俺と熱いクリスマスを過ごしてよ」



ー独りは嫌。2人で居たい






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