DRR1303

□願い事は1つです
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「紀田くん紀田くん!」

「何すか臨也さん。仕事して下さい」

「休憩だよ、七夕の願い事書こう!」

・・・何言ってるんだこの人。

正臣は心底そう思った。

何故なら七夕なんて子供だけのものだと考えていたからだ。しかも臨也が大きい笹を抱えて飾っているではないか。

「願い事ですか?俺は特にありませんよ。アンタが死んでくれればそれで」

はぁ・・・と溜め息をつきながら臨也から貰った仕事をこなしていた

「ふぅん?お願い事は無いの?」

「当たり前です。アンタこそ無いんですか?」

「俺は書いたよ。正臣とずーっと一生居れますように、って。」

不意打ちだった。
正臣が手に持っていた書類を落としてしまうところだった

臨也は常に紀田くん、と呼ぶ。
しかし先程は正臣、と呼んだ。
しかも臨也さんは俺と一生居たいと言う願い事

不意打ち過ぎる・・正臣はそう思いながら急激に頬を染めていき照れていることがバレないようにと仕事に集中する

「正臣」

いつの間にか正臣の隣には臨也がいて名前を呼ばれると同時に逃げられないように後頭部に手を回され唇を優しく塞がれていく

「っふ・・・んん・・・いざ、やさ」

「正臣・・いざや、って・・呼んで」

「・・・ん、っ・・いざ、や」

臨也、と正臣は呼んだ。

臨也と正臣は互いの言葉に凄く照れた表情で相手を見つめ優しく唇を離した

「ねぇ、もっと呼んでよ。臨也って」

「嫌です。死んでくれ仕事しろ」

「正臣くんのケチ!!」

わざとらしく怒った表情で臨也はデスクに向かう。

そして正臣は臨也が置き忘れた短冊に

*臨也さんと一生居られますように*
正臣

と書き込みその裏にこっそりと、臨也大好きとまで書き込んだ。

バレないようにこっそりと臨也さんが持ってきた笹に短冊をつけた

「じゃあ、臨也さん。俺帰りますね」

「はいはい、お疲れ様ーまた明日ね」

ぱたり、とドアの閉まる音がする
静かになった部屋のなかではくすくすと青年のクスクスという笑い声。

ーー素直じゃないなぁ。
でもわざと短冊置いておいたら書いてくれるとは。・・・可愛い正臣。

*正臣を素直にさせてデレさせたい*
臨也


後書き
臨也さんテンション可笑しいけど気にせずにお願いします・・・!

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