ぷよぷよ(健全)

□暇潰し
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「暇。」
シグは一言そういった。
「シグ、君ねぇ、人ん家押し掛けといて何言ってるんだい?」
そう。シグは今、クルークの家にいる。
だが、クルークの家にいるのはシグだけではない。
「だってクルークずっと勉強ばっかりでさぁ、全然遊ばないじゃん。」
アミティもいたのだ。
「・・・君達はぼくの家に何しに来たんだい?」
「「暇潰し」」
クルークは呆れた。
「…それなら、ボクの家じゃ無くても良いよね?」
「ううん。メガネの家じゃなきゃだめ」
シグはクルークを覗き込む様に言う。
「うわっ!?い、いきなり近づかないでくれよ!!び、びっくりするだろう!?」
「メガネ、それ何」
「何って、え…魔導書だけど…。」
「メガネもう十分頭良いから遊ぼう。」
シグはクルークに凭れ掛かりながらいう。
「おっ、重いよぉ、シグぅ…。」
クルークはシグを引き離すために必然的にシャーペンから手が離れる。
「メガネー遊ぼー」
「あぁ、もう帰ってくれよ!!」
「嫌だ」
「何でだよ!!」
「クルークだって何で遊んでくんないの?」
アミティが割り込んできた。
「勉強したいからさ…。」
「メガネもう十分頭良いから遊ぼう。」
「シグ、その台詞二回目。でも、シグのいう通りだよ!!クルーク頭良いじゃん!それに宿題だって終わってるでしょ?アタシと違ってさ、ね?」
「…まぁ、終わってるけどさ。…………ん?」
クルークがアミティを見る。
「アミティ、君今さ、『アタシと違って』って…言った?」
「うん。」
「終わってないの?」
「うん。」
「…ダメじゃん!!」
「エヘヘ♪」
エヘヘじゃないよ、と小声でアミティにツッコミを良いながら、シャーペンを持ち直そうとして、クルークは気がついた。
「あれっ?ボクのシャーペンが無いっ。」
「ここ」
そのシャーペンは、シグが持っていた。
「返して。」
「いや」
「返して。」
「遊ぼ」
「…返して。」
「…………はい」
最後はシグが折れた。
クルークはもう二人が何を言ってもお構い無しに勉強に集中していた。
「クルーク…………。」
「メガネ…………。」
クルークは何も言わない。
「クルーク…………。」
「メガネ…………。」
く、クルークは何も言わない。
「クルーク…………。」
「メガネ…………。」
「…………。」
クルークは何か言いたそうだが、それでも何も言わない。
「クルーク…………。」
「メガネ…………?」
「ああ、もう解ったよ!!ん〜もう、遊んであげる気は無いけど、宿題なら見てあげるけど!?」
「メガネがキレた…………。」
「…………シグ、クルークはキレては無いんじゃないかな。」
クルークは今にもシグにシャーペンを投げつけそうだ。
「うん。僕は別にキレては無いよ。と言うわけで僕がキレる前に帰れ。」
「宿題見てくれるんじゃ…………。」
「あ、見て欲しいの?」
「解んないから教えてー。」
「あ、アタシも良いかなっ?」
「君達ね…………。」
仕方ないから早く持ってきな、と呟きながらクルークは席を立った。
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